きめ細かなチェックで病気を探知。「人間ドック」のすすめ/やさしい家庭の医学

pixta_31258996_S.jpg病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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病気の早期発見のための総合的な検査

「人間ドック」

●「レディースドック」もある
会社勤めのビジネスマンは、労働安全衛生法に基づき、年に1回の定期健康診断が義務づけられています。また、自営業や主婦の方々は、希望すれば自治体などが主催する健康診査を受けることができます。

ただ、これらの健康診断は内容がかぎられているため、体のすみずみまで十分なチェックを受けることができないのも事実です。そこで必要になってくるのが「人間ドック」です。
 
糖尿病や高血圧などの生活習慣病やがんなどは、ある程度病状が進行しないと自覚症状がなく、早期に発見されることは多くはありません。とくにがんは、自覚症状が現れた時点で治療をはじめたとしても手遅れになるケースも見受けられます。

人間ドックでは、コースにもよりますが、身体計測や血圧、心電図、呼吸機能検査、胸部X線、尿検査、血液検査のほか、オプションとして前立腺、乳腺、C型肝炎などの検査が受けられます。コースには1日コース(日帰り)と2日コース(宿泊)があり、場合によっては3日以上のドックもあります。
 
通常、人間ドックの対象年齢は20歳以上とされ、原則として年に1回のペースで受けることが望ましいとされています。
 
ただし、人間ドックは病気の早期発見が主目的ですので、すでに罹(かか)っている病気の重症度を知りたいといった場合にはおすすめすることはできません。
 
先述のような全身を検査するドックのほか、胃腸などの消化器に特化した「消化器精査ドック」や、頭部MRI、頸動脈(けいどうみゃく)超音波検査などを行なう「脳ドック」、がん検診を目的とした「PETドック」、子宮がん検診やマンモグラフィーが含まれる「レディースドック」などもあります。
 
料金は、一例を示しますと、1日ドック(日帰り)で約5万円、2日ドック(宿泊)で約10万円が相場のようです。2日ドックは翌日の昼過ぎに検査が終了するので、宿泊施設のホテルの料金が含まれています。

なお、人間ドックや健康診断の費用は、病気の治療を行なうものではないため、原則として医療費控除の対象にはなっていません。ただ、人間ドックなどによって重大な病気が発見され、その診断などに引き続いて治療を行なった場合は、治療に先立って行なわれる診察と同様に考えられることができますので、医療費控除の対象になることもあるようです。

 

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関連記事「どんな検査があるの? 基本の健康診断の内容をチェック!/健康診断」はこちら。

中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です
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