日本人の一生涯にかかる医療費は2700万円程度といわれています(厚生労働省調べ)。そしてこの生涯医療費の50%は、なんと70歳以降にかかってくるということをご存知でしたか?
生涯医療費を少しでも減らすために、病気は早いうちにみつけるのが一番です。医療費の負担を賢く節約する方法をファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんに伺いました。
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年を重ねるごとに医療費は高くなるのが現実ですが、実際にどのくらいかかっているのでしょうか。2015年度の厚生労働省による生涯医療費の推計値を見ると、生涯にかかる医療費は1人当たり平均2700万円です。50代後半から高騰し、75歳から79歳がピークとなります。やはり70歳以降の医療費は高く、生涯医療費の約50%を占める結果が出ています。
50代からがんにかかる割合が高くなる傾向があります
特に、医療費で気になるのはがんです。例えば、乳がんの場合、入院費用の平均は約71万円(〈公社〉全日本病院協会 平成29年度 医療の質の評価・公表等推進事業、医療費)。もちろん、健康保険が適用されるので、1割から3割の負担で済むとはいえ、先ほどの生涯にかかる医療費の平均2700万円も健康保険を適用すると、3割負担の場合810万円になります。当たり前のことですが、病気にならないことがいちばん。しかし、50代からがんにかかる割合が高くなる傾向にあるだけに、そうも言っていられない状況です。
病気を早く発見できる自治体の検診などを利用することが大切です
それなら、少しでも早く病気を見つけることができれば、身体的、金銭的な負担を軽くできるのではないでしょうか。「そのためにも、病気を早く発見することができる健診などを利用することが大切です。自治体では人間ドックや健診などに助成金を出しているところがたくさんあります」とファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんはアドバイスします。
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取材・文/金野和子