年齢と共にコレステロール値が高くなり、不安を感じていませんか? コレステロールの正体と、知っておくべき3つのキーワードについて、寺本内科・歯科クリニック内科院長の寺本民夫先生にうかがいました。
油や油脂は「脂質」と呼ばれる三大栄養素の一つで、コレステロールはこの「脂質」の一種で体に欠かせません。細胞膜、ホルモンなどを作るのに不可欠で、脳、神経、肝臓などに多く、体に必要なコレステロールの約70〜80%は肝臓で合成されます。食べ物から取り過ぎると脂質異常症を引き起こし、その結果血管を傷つけ動脈硬化が進むと、心臓病や脳卒中などのリスクが高まるのです。
知っておきたい3つのキーワード
■LDL(悪玉コレステロール)
肝臓から全身へコレステロールを運び出し、全身の細胞がそれを消費します。しかし増え過ぎると血管の内壁に入り込んで血管を硬くしたり傷つけることも。さらに動脈硬化を引き起こすため「悪玉」と呼ばれます。
■HDL(善玉コレステロール)
全身の細胞で使われなくなったコレステロールを集めて肝臓に戻す働きを持つ。動脈硬化を起こした血管からコレステロールを除去してくれる掃除役も担います。そのため「善玉」と呼ばれます。
■中性脂肪
食物から取った脂質は血液中に入りエネルギーになります。しかし使い切れなかった脂質は中性脂肪になって細胞に蓄積され、肥満、脂質異常症を引き起こすことに。その結果、動脈硬化が進みます。
コレステロール値の調べ方
一般的な健康診断の血液検査なら、コレステロール値と中性脂肪は必ず測定しています。健康診断表に記載されているので、ぜひチェックを!
次の記事「LDL、HDLってなに? コレステロールの基礎知識」はこちら。
<教えてくれた人>
寺本民夫(てらもと・たみお)先生
寺本内科・歯科クリニック内科院長。東京大学医学部卒業。専門は内分泌、代謝、動脈硬化など。帝京大学医学部学部長、日本内科学会理事長などを経て、2013年に、患者さんと語り合い良い関係を築いて治療する同クリニックを開業。
寺本民夫(てらもと・たみお)先生
寺本内科・歯科クリニック内科院長。東京大学医学部卒業。専門は内分泌、代謝、動脈硬化など。帝京大学医学部学部長、日本内科学会理事長などを経て、2013年に、患者さんと語り合い良い関係を築いて治療する同クリニックを開業。