料理ができる男性に育てるべく母奮闘!でも...私の子育て、何が欠落してた?

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:るんまむ
性別:女
年齢:55
プロフィール:子供を育てるのなら女の子がいいと思いながら、結果として唯我独尊部隊の3人の男の子を育てあげました。

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わが家の息子は団子3兄弟。ままごとセットで遊ぶことから始まった息子たちは、気がつけば子ども用包丁で野菜を切るようになり、料理をすることに抵抗なく育ちました。

息子たちが小さい頃、おもちゃ屋さんで見つけた「ままごとセット」。マジックテープでくっついた野菜などをおもちゃの包丁で半分に切ると、サクッと音がして2つに分かれます。

それが息子たちの料理の始まり。男の子だってままごとセットで料理をするのは好きだったのです。車や電車のおもちゃと同じように、気に入って遊ぶことがわかってからというもの、さらに子ども用の小さな包丁も買い与えて、私の見守りの中でキュウリなど簡単な本物の野菜を切ることもしました。

とある日曜の朝、私が乳児だった次男を抱えて寝ている間に、長男がミニトマトときゅうりを切ってお皿に盛ってサラダにしていたことがありました。まだ3歳にもならない頃だったと思います。私の見てないところの作業で肝を冷やしたこともありましたが、料理はクリエイティブな活動。砂場で遊ぶ感覚と同じです。作ったものが食べられるとなると、さらに楽しさも増えたようです。なので、小さい頃から手伝いたいと言ったときには、なるべく私の中のイライラは押さえてできるだけ手伝わせるようにしました。

息子たちが大きくなってからは、夫を含めた男4人の料理を一人で賄うのに大変なときは、「手伝って」と声をかければ嫌な顔をせずに手伝ってくれました。遠距離介護で家を空けるときのためにも、簡単に作れる料理なども手伝ってもらいながら教えたりすることもありました。おそらく将来1人暮らしをするようになっても困らない以上のスキルは身についていったと思います。

また、「好き嫌いがない人はどこに行っても可愛がられる」といいますから、どこに行ってもどこに住んでも困らないようにと、いろいろな食材を食べさせてきました。おいしくない、嫌いと言ってもいいから、一応出されたものは一口でも食べるようにさせてきたので、好き嫌いで食べられないということはありません。

実を言うと、これは息子たちのためというだけでなく、なんてことはない私自身が食べることが好きなので、新しい品種の野菜などを見つけると試しに買って食べてみるとか、ハーブも育てたりして自分自身も楽しんでいただけのこと。意図して作った環境ではなかったのですが、結果的に全員が料理男子に育ちました。

おかげで学校で調理実習があるときには3人とも随分と重宝がられたようで、帰宅するなり「あいつら(男子も女子も)料理が下手すぎる!」などと偉そうなことを口にすることもしばしば。

そんな料理男子のはずの3兄弟は27歳・25歳・22歳。みんなそれぞれ自立して家を出ました。しかし、料理をしている気配がない! え~! なんで? できるのにしない?

理由は簡単。料理するのがめんどくさい、片づけるのがめんどくさい、買い物行くのがめんどくさい......。私はどうやら息子たちの一番大切な何かを育て損ねたようです。

食べることは生きること。生きることは食べること。体の細胞は口に入るものから出来ているんだよ? ここが一番大事なんだから!
そんな母親の叫びは空しく霞んで届かず。毎日、息子たちは何を食べて生きているのか不思議に思う今日この頃です。

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