深夜、うまく歩けないはずの義母がシャキシャキ歩き出した! なぜこんな現象が...?/山田あしゅら

こんにちは山田あしゅらです。

義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴ったブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。

ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。

前回の記事:在宅介護する頑固な義父をどう説得しようかと思ったら...拍子抜けの「リハパン」デビュー/山田あしゅら

年明けから始まった義母のショートステイ利用。

次男の結婚式までに少しずつ環境の変化に慣れてもらうのが今は一番の目標です。

その後も毎月1回、1泊2日の『慣らしお泊り』を継続していました。

しかし

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家に着くと毎回きれいさっぱりショートステイで過ごしたことを忘れてしまう義母。

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と、甚だ疑問もわいてきます。

そんな利用も3回目を数えた頃でした。

夕方送迎車に乗って帰って来た義母が居間の椅子に腰かけてしばらく休んでいると

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と、小さな声でつぶやいたのです。

たまたまそのつぶやきをそばで耳にした私は、どこに行っていたのかさえ瞬時に忘れてしまう義母が『ここが家だ』と認識していたことに少しばかり驚きました。

それでなくても、自分の気持ちを言葉に示さなくなって久しい義母です。

1回目、2回目の利用後にもそんな素振りは見せなかったのに...。

何てことない一言は違和感として残りましたが、この日の夜遅く、その違和感が違った形になって現れることとなります。

夕飯や入浴など全て済ませ義父母が床に就いてしばらくしてからのことでした。

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義母が寝ている隣室の居間から何やら物音が聴こえるではありませんか。

義母は一度寝付いてしまうと朝までまず起きてくることはありません。

慌てて見に行くと、ちょうどドアを開けて出てくる義母と鉢合わせしたのでびっくり。

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普段、寝ぼけることはあっても一人でベッドから身を起こすことも難しい義母です。

どうやってここまで歩いてこられたのでしょうか?

表情を見ると明らかにいつもの義母とは違います。

どこへ行くの?とおっかなびっくり聞くと

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と、さも当然のように答える義母でした。

この頃は既に夜間はリハパン頼り。

自分からトイレへ行くことはまずありません。

以前にも同様なことがありましたが、それさえも1年前のこと。

関連記事:顔も動作も...まるで別人! 認知症の祖母が風邪薬を飲んで「覚醒」してしまい...⁉/山田あしゅら

腰椎骨折した後は歩行能力もすっかり落ちて、手引きで歩いてもちょこちょこと少しずつしか進めないのです。

ところがお構いなく一人ズンズンとトイレへ向かう義母はまたしても全くの別人。

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しかも1階のトイレはこの時まだ和式!(その後洋式に改装することになります)

別人義母はこの難関さえも楽々クリアしてしまうのです。

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...もっとも、後ろで押さえてないと危険ですけどね。

日頃の義母を見ていれば不思議でしかない現象も認知症がなせるワザとでも申しましょうか。

まるで、過去の義母が乗り移っているかのような状況に、私はこれを『セルフ憑依』と呼んでいました。

しかしこれをそのまま『機能の回復』と単純に喜べないのは悲しいところ。

『セルフ憑依』は時間が経つと魔法が解けてたちどころに効力がなくなってしまうのです。

翌朝になるとトイレに行ったことなどどこへやら。

エネルギーの全てを費やした義母は反動で魂が抜けたように動けなくなります。

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今回は風邪薬を飲んでいたわけではありません。

また、同様なことはショートステイ利用後にたびたび起きました。

高齢者、特に認知症の人にとって環境の変化が思わぬ作用を招くことはままあるようです。

たとえ利用したことさえ忘れてしまっても心の奥底で感じていた緊張が何らか影響していたのかもしれません。

先のことを考えたらショートステイにも慣れてほしいけれど

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義母自身にとってはどうすることが良いことなのかなかなか悩ましい問題でもありました。

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山田あしゅら

まもなく60代を迎える主婦。3人の息子は巣立ち、孫が2人いるおばあちゃん。 義父・太郎を平成31年4月(享年90歳)、義母・はな子を令和2年11(享年95歳)をそれぞれ見送り、現在は夫と二人暮らしをしている。 13年間にわたり義父母の介護の奮闘を綴ったAmebaブログ 「13番さんのあなー介護家庭の日常(現・13番さんのつぼ)」をもとに 平成29年7月『毒舌嫁の在宅介護は今日も事件です!』を出版。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

山田あしゅらさんのブログ:13番さんのつぼ

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