こんにちは山田あしゅらです。
『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年以上が経ちました。義両親と同居しながら介護をしていた当時のことを思い出しながら書いています。
前回の記事:すっかりケチになった義父。「デイサービスの利用料」まで渋りだして...
義父の認定調査の結果は決定通知が来るまで1か月ほどかかります。
その間も義父母の毎日はバタバタと続きます。
以前、急に立てなくなった義母の話を書きましたが、実はその後、義母の寝室を2階に戻していたのです。
関連記事:「おーい、来てくれ!」2階から響く義父の大声。そこには...突然立てなくなった義母の姿が
再び立てなくなることを考えたら「なんと無謀な!」と思われるでしょうが、義父母の居室を2階にせざるを得ない理由のひとつに我が家のトイレ事情がありました。
義父によって30年近く前に改築された我が家は1階が和式、2階が洋式のトイレでした。
しかも、1階の和式トイレは昔ながらの1段上がる形状で
徐々に踏ん張りがきかなくなってきた義母は使うことが出来なくなっていました。
用を足せるのは2階のトイレのみ。
と、いうことで義母の寝室を下におろすことが出来なかったというわけです。
そんな義母。
数日前から引き始めた風邪がどうもスッキリしないでいました。
気温が一定しない5~6月ごろは高齢者でなくとも体調が崩れがちなのですが、認知症の義母は具合が悪くても自分から不調を訴えてくることはあまりありません。
ありがたいことに風邪を引くことが少ない義母でしたが油断は禁物。
気づいた時には既に症状が悪化していることもあるので注意が必要です。
この時もややこじらせ気味になってしまい、良くなったり悪くなったりを繰り返し、次第にしつこい咳にかわってきました。
そこでかかりつけのお医者さんに風邪薬を処方してもらい、週3日のデイサービスもしばらくお休みにしました。
ところが薬を飲み始めて2日ほどたった頃でしょうか。
いつもは静かな義母が、朝からどうも様子がおかしいのです。
顔つきもいつもと違い、動作もまるで別人のよう。
認知症の義母の不思議の一つに、何らかのきっかけで急に『昔の義母が戻って来る』という現象がありました。
何がスイッチになるのかは分かりませんが、今回のようにいつもと違う薬を飲んだ後ということも結構多かったので、これも原因だったのではないかと思うのです。
しばらく落ち着かない身振りで1階の居間をウロウロしていた義母でしたが、やおら部屋を出て和式トイレに向かおうとするではありませんか。
2階の洋式トイレに行こうとどれだけ私が促しても全く聞く耳を持たず、大股でトイレへ向かう表情は気の強かった昔の義母の顔を彷彿とさせるものでした。
そして便器前に到着。いつもだったら片足を上げるのも難儀なトイレの段も(階段の1段分よりも幾分高めです)難なくクリア。
便器をまたいで立ち上がることが出来てしまったのです。
本人はやる気満々なのですが身体はユラユラ安定しません。
押し問答しながらも「こりゃ、目的遂行しなけりゃ収まらないぞ」と思い、後ろを支えながらズボンと下着を下ろすのを手伝いました。
するとなんとまぁ。
義母、ゆっくりですがちゃんとしゃがめてしまうではありませんか。
しまいには後ろで必死に支えている私に
と、怒り出す始末。
押さえてなけりゃ、大事なところをおっぴろげたまま後ろにでんぐり返っちゃうわよぉぉっ!
しかし悲しいかな、義母の足が持ちこたえられたのはほんの数秒でした。
目的遂行する間もなくこの体勢に耐えられなくなった義母はおっかなびっくりトイレから下ろされることとなりました。
その後風邪で体調がイマイチだったこともあってか精魂使い果たした義母は電池が切れたようにしばらく動けなくなってしまいましたけどね...。
常時、予測がつかない認知症の義母ではありますが、病気が進行するにつれ思わぬ行動が思わぬ時に現れることがこの頃たびたび見られたのです。
そしてこの『覚醒』は、わが家の介護を大きく変える「大事件」を招くこととなります。
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