<この体験記を書いた人>
ペンネーム:myb
性別:女
年齢:46
プロフィール:15年間の結婚生活に終止符を打ち、歩み始めたばかりのシングルマザーです。
2019年初め、私は1年間の契約でそれなりに大手の企業で働くことになりました。
面接の際に毎回聞かれる「お子さんの世話を頼める親戚はいますか?」の質問にげんなりしていた私は、育児に理解のあるその企業の社風に惹かれました。
その企業では、面接に居合わせた上司や人事の人から、子どもに関する質問を一切されなかったのです。
「子どもが病気の時は母親がいてあげるものなので」
そう言う50代の女性上司の言葉には、感激すら覚えました。
実際、職場には子持ちの人が多く、男女関係なくお子さんの行事には欠かさず参加していたそうです。
「卒業式なので休みます」
「保護者会なので半休をいただきます」
「個人面談なので早退します」
有休を取得する際には理由も書いて一斉メールを送るのがルールだったため、春先にはこんなメールが飛びかいました。
私もお休みをいただく際には同じメールを送っていました。
しかしある日のことです。
私の隣の席に座る30代独身男性Aさんが、産休に入る予定の女性のことを「この前産休から帰ってきたばかりなのにもう産休だって」と私に話してきたのです。
あっ、そんな風に周りを見ていたんだ...。
その人は、私に仕事の指示をしてくれる担当者でもありました。
それもあって、私はそれ以降、有休を取得するのにとても心苦しく感じるようになりました。
妊娠のタイミングは人それぞれですし、プライベートの事情も人それぞれ。
子どものための有給は、休みといっても実は自分の体は少しも休まってはいません。
きっとAさんはそんなことは理解していないと思うのです。
「10年間、風邪をひいても休んだことがない」
Aさんはそんな武勇伝を持っていて、自慢していました。
年5日の有給休暇の取得が義務化された後でもこの話をしていたのです。
そのような話を聞くたびに、私はさらに休みを取ってはいけないような気持ちになりました。
Aさんは、仕事上でも困った行動をすることが多い方でした。
「10年やっているから」
などという理由で、私が女性上司や勤続年数の長いパート女性(60代前半)から教わった仕事を、独自のやり方で進めるように指示をしてきます。
「上司にはこう教わりました」
と言っても聞いてくれません。
結局はマニュアルと違った手順だったため、女性上司やパートさんに「〇〇くん、間違ったことを教えないで」と注意をされるのですが、謝罪しているのを見たことはありません。
さらには私がこれから処理する書類の上に「そっと」書類を置くので、いつどういう意図で置かれたのかがわからず、戸惑うことが多々ありました。
これについては女性上司に相談をして、他の書類と混ざると紛らわしいからということになり、「Aさんが私に仕事を黙って渡す時用の書類箱」が用意されることになります。
しかし、Aさんは「この箱、いらなくないですか?」と撤去してしまい、改善されることはありませんでした。
Aさんは女性の上司や先輩の意見を軽視しているのだな...そういう本音がありありと見えて、毎回嫌な気持ちになったものです。
結局、私はAさんの下で1年間の契約期間を終えました。
とてもいい会社だったのに、このことだけがとても残念です。
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