認知症で要介護4のお義母さん(姑)とリウマチと骨粗鬆症で要介護5のおばさん(姑の妹)の 在宅介護をしたバニラファッジさん。
今回はおばさんのトイレの介助についてのエピソードです。
前回のエピソード:おばさんが再び立った! 理学療法士さんが左右の足の長さの違いを見抜き...
要介護5のおばさんは、身体は自由に動かせませんが尿意・便意はわかります。
いつもはリハビリパンツをはいていますが、パンツの中でしてしまうことはありませんでした。
介護する方も、身体介助は大変ですがトイレで用を足してもらった方が後片付けも楽だし衛生面も安心です。なので、夜中もできるだけトイレで用が足せるように手伝っていましたが、多い時は3回起きることもあり、さすがに嫁も寝不足が続きました。
しかし...
特に冬場など朝まで濡れたオムツでは辛いことも想像できましたし、おばさんが呼ぶ限りトイレ介助は続けました。
しかしそんなある日、嫁が地元の懐かしい友人たちとの飲み会に参加することになり そのまま実家に泊まる予定をたてました。
朝には起床介助のヘルパーさんが来て、着替えをするので 夜中のトイレはおむつの中でするよう伝えました。
すると、その日を境におばさんは 「夜はおむつでいいわよ、ファッジさんも夜中に起きるの大変よね。」 と、夜間に呼ばれることがなくなりました。
そのおかげで、私は自由な時間が増え睡眠時間もしっかりとれるようになりました。
しかしその代わり、おばさんは濡れたおむつで不快な思いをしているのだろうと胸が痛みました。
おばさんは、そんなことをポツリと言うこともありましたが、「ああ、そうですかぁ〜」と聞き流してしまいました。
「大丈夫ですよ、また夜中も呼んでください!」と自分の胸をたたく気力はもうありませんでした。
ところが、ある寒い日の夜中に呼び出しブザーが鳴りました。
おばさんが本当に寝ぼけて押してしまったのか、 つらくてSOSを発信しているのかが読み取れず...
たしかに、おばさんは身体のこわばりがあるので、ベッドから起こす時は全身の関節をさすった後、ゆっくり動かすようにしないと痛みがありました。
私はおむつの中で排尿する苦痛が大きいのだろうとずっと思っていましたが、おばさんにとっては、そのまま寝ていた方が楽だということを初めて知りました。
おむつに切り替えたあの日以来、ずっとモヤモヤが続いていましたが、「その方が楽なのよ」とはっきり言われて、パーッと心が晴れたのを覚えています。
介護は何がベストか迷うことが多いのですが、まずは介護者と被介護者がコミュニケーションをしっかりとることが大事なんだと気づかされたできごとでした。
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