<この体験記を書いた人>
ペンネーム:柊子
性別:女
年齢:53
プロフィール:パート主婦。非協力的な夫あり。苦手な家事と、高齢で授かったまだ手のかかる子ども2人の育児に奮闘中。
2005年に30代で購入した我が家。
駅から近いのに静かで、日当たりがよく、価格も安かったので購入に至ったのですが、新居の目の前はごみの集積所。
仲介の方からは「ごみの集積所は固定ではないから変えられます」と説明されていました。
引っ越し後に近隣へ挨拶に回った際も、主婦の方から「前、お宅に住んでいた方のご厚意でお宅の前がごみ集積所になっているけれど、変えられるからね」と説明してもらいました。
こちらとしては家の前が集積所であるのは気にならず、ごみを出すのに便利、くらいに考えていました。
そもそも入居した当時、私は会社勤めを継続中で、朝8時過ぎに家を出て帰宅するのは夜8時過ぎ。
帰るのが夜10~11時になることもたびたびで、日中家の近辺でどのように時間が過ぎているのかまったく知らず、関心もありませんでした。
その後会社を退職し、朝からずっと家にいるようになると、近所のお宅の主婦の方々(当時50~60歳代)がしょっちゅう立ち話をしていることが分かりました。
家の前を掃除したり、植木に水をやったりと、3軒のうちの誰かが外に出ていると、気配を察知した残りの方々が家から出てきて、あれやこれやと立ち話。
私が買い物へ行こうと家を出て、帰ってきてもまだ話が続いていたこともありました。
でも、そうやってご近所同士でコミュニティを築いていれば、困った時やいざという時に助けてくれることもあるでしょう。
私自身はそういう付き合いをしたことはありませんが、その感覚は私にも分かりました。
私もご近所の方を新居に呼んだり、いただきものがあったらおすそ分けしたりしていましたが、在宅で仕事を始めたこともあり、コミュニケーションは次第に少なくなっていったのです。
その立ち話で、3人のご近所さんは何を話していたのか。
話題の一つがおそらくは「ごみ集積所」使用ルールです。
3軒の話し合いで皆が出したごみを囲む折り畳み式の柵を手作りしてくれたり、収集日前夜にはその柵をセットして上にネットを掛け、収集後にネットを畳む「ごみ当番」制度を決めてくれていました。
しかし、夕方明るいうちから家の前に早々と柵がセットされたり、当番なのになかなか片づけない人がいたりと、私のストレスはだんだん溜まっていきました。
柵は折り畳んで我が家の塀に常時立て掛けられているのですが、これもストレス。
中でも嫌だったのが週に一度の資源ごみの日で、その日は当番に関係なくいつもの3人のご近所さんが空き缶、空き瓶用の箱をセットしてくれるのですが、缶や瓶の音がガラガラと朝6時過ぎから鳴り響きます。
でも、このお三方によれば「家の前が集積所であることを承知で購入したのだから文句言うな」ということらしいのです。
その後住民が増え、ごみの量も増えました。
柵はもう用をなさない状態です。
そこで「柵は撤廃し、当番は私が毎回やります!」と一方的に通達してしまいました。
私もいたいけな新参者として下手に出ながら、笑顔でやんわり要望を伝えたり、あるいは立ち話に参加して関係性を築いてから話をすればよかったのだとは思います。
ですが、私にはそれが精いっぱいでした。
「あの人うるさいし変だから、言うことは聞いておきましょう」などと思われればそれこそ本望だと考えていました。
集積所の場所をお三方いずれかの家の前に移動して、好きなようにやってくれたらいいのになと、今も考えている私。
でも、先輩主婦の方々が長年とりまとめてきてくれたごみ集積所、その経緯や気持ちを新参者の私がないがしろにしてしまったことは悪かったかなと、少し反省もしているのでした。
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