<この体験記を書いた人>
ペンネーム:トリコ
性別:女
年齢:47
プロフィール:自営業の夫(50歳)と大学生の息子の3人暮らし。2年前に夫の不倫が発覚。再構築か離婚かを模索中の兼業主婦です。
鉄工所を営む夫(50歳)の不倫が発覚したのは2年前の夏。
財布からラブホテルの割引券を見つけたことがきっかけでした。
ひとまず夫を泳がせ、不倫相手について調べていくうちに、相手は私と同じ45歳で中学生の娘さんがいる既婚者だとわかりました。
どうやら趣味を通じて知り合ったようです。
私にバレたとも知らず、あれこれ理由をつけては毎週のように不倫相手との逢瀬を重ねる夫。
沸々と怒りが湧きあがる一方で、夫に好き放題させてきた私にも反省すべき点があったのではないか、そう考えるようになりました。
というのも、不倫を知るまでの私は、夫の行動にまるで無関心だったからです。
毎日の家事や鉄工所の事務仕事、さらには10年近く勤めているパートの仕事をこなして多忙を極め、夫を構う余裕がありませんでした。
とくに息子が大学受験を控えていた1年間は疲労困憊していました。
夫から「夕飯は外で食べてくる」というメッセージが送られてくると、浮気を疑うよりもまず「今日は手抜き料理でも大丈夫だ!」という解放感でいっぱいでした。
そんな経緯があり、「もっと夫婦で過ごす時間を持とう!」と、私はパートのシフトを減らしてもらい、夫を買い物や映画に誘ってみることにしました。
そして、普段の会話でも「いい考えね」や「おもしろそうね」といった肯定的な言葉を増やすようにしたのです。
もちろん、このような努力だけで不倫が終わると考えていたわけではありません。むしろ、何も知らずに笑っている夫にブチ切れてやりたいと思う時もありました。
それでも笑顔で接しているうちに、夫の行動に少しずつ変化が現れました。
いつもマイペースで亭主関白な夫が、洗濯ものをたたんだり、私の意見を尊重したりと優しくなったのです。
さらに、年末年始には九州にある私の実家へ、家族旅行を兼ねて帰省しようという計画も立てました。
家族そろって遠出をするのは息子が小学生の時以来です。
心の靄がすっかり晴れたわけではないものの、久々に楽しい気分になりました。
そんな私の気持ちに水を差すような、夫から謎のLINEメッセージが届いたのは、九州旅行の飛行機を予約しようと考えていた11月の第1金曜日。
内容は「2泊3日で1人旅に出る」という非常にあやしいものでした。
「おみやげヨロシク~、ついでに不倫相手にもヨロシク~(笑)」と冗談めかして返信すると、「博多にいる学生時代の同級生宅に遊びに行く」とのこと。
正月には家族で九州へ出かけるというのに、なぜこの時期にわざわざ博多へ1人旅をするのか、意味がわかりません。
不信感に駆られて夫の部屋から年賀状を引っ張り出すと、くだんの同級生はたしかに博多に住んでいて、携帯の番号も書いてありました。
こうなったら確かめずにはいられません。
もし、本当に友人宅にいるなら疑ったことが笑い話になるだけ。
ただ、夫がいなかった場合は...。
しばらくためらったのち、私は携帯を手にしました。
知らない番号にもかかわらず、同級生は電話に出てくれました。
なるべく冷静を装い、「○○の妻ですが、夫がお世話になります」と切り出すと、電話口からは何の話かわからず慌てる様子が伝わってきました。
そして、「○○くんとはここ10年会っていません」と言われました。
夫の有罪が確定し、私の怒りが沸点を超えた瞬間です。
これまでの努力は無駄だったのか。
それともラブホテルの割引券がみつかった時点で、きちんと話をしていればよかったのか。
なぜ、家族で訪れる予定の土地に不倫相手と一緒にいくのか。
いずれにしても家族旅行は取りやめです。
眠れない夜が2日続いたあとの日曜日、夫は博多みやげの明太子を手に上機嫌で帰宅しました。
その明太子が部屋中に飛び散ることになるのは、もう少し先の話です。
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