<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ワンタック
性別:女
年齢:52
プロフィール:地方に高齢の両親が居る、関東在住のフルタイムで働く主婦です。
父(86歳)は認知症のため4年前からグループホームに入所して生活しています。
ある日、父がグループホーム内の自室で転んで大腿骨を骨折し、緊急入院したと母(80歳)から連絡がありました。
手術が必要だと聞き、入院先の先生から話を聞くことになったのですが、父の病状を聞いて真っ青に。
「骨折した大腿骨を取り除き人工関節に置き換える手術が必要だが、肺炎がひどく手術どころではありません。
肺に水が溜り予断を許さない状況のため、延命治療をするかしないか、家族で話し合って欲しい」
骨折で入院と思っていたのに、延命するかしないかの選択を迫られるとは夢にも思わず、母も私もただ動揺するのみ。
その後なんとか肺炎は落ち着きましたが、手術後のリスクを考え人工関節にする手術はしない決断をしました。
そうなると、歩けるか、歩けないか、それ以前に骨折した個所の骨がつくのかつかないのか、誰にも全く分かりません。
そして入院から1カ月が過ぎ、肺炎がやっと落ち着いた頃、入所していたグループホームから連絡が入ったのです。
「当グループホームの規則で、入所者様の不在が3カ月続いた場合、申し訳ないですが除籍にさせていただく決まりになっています。
また、このグループホームは看護師が常駐する曜日が決まっているため、毎日点滴など看護師の介助が必要な状態の場合は入所が出来ません」
それは連絡というより、退去の宣告です。
母は7年前にガンの手術をし、今でも体調に波があり自分の面倒を見るだけで精一杯。
とても父の看護は出来ません。
私も関東在住でコロナ禍のため、地方にある実家への帰省も控えている状況です。
実家の地域は高齢化が進み、グループホームや特別養護老人ホームは常時満員、入所待ちの待機が各ホームに数十人は居ると聞いています。
もし、あと2カ月経っても良くならず、今のグループホームを退去することになったら...。
これから次のグループホームを探してもいつ入所出来るのか、頭を抱えたい気持ちをこらえ、とにかく一刻も早く元気に退院できるよう、父の回復を祈る事しかできませんでした。
幸い、父は2カ月で骨折した個所もつき、歩くリハビリを開始。
ところが、発熱や肺炎で体調が悪化することも多く、リハビリは全く進みません。
入院してからもう少しで3カ月という時、グループホームの責任者とケアマネージャー、病院の担当医と病院側のケアマネージャー、それに母が加わり面談する日が来ました。
担当医は骨折と肺炎の説明をし、病院側のケアマネージャーが父の状態を説明しました。
「骨はついていますが、リハビリは進んでいません。肺炎は回復したので退院は可能ですがどうしますか」
そうグループホーム側に問うと、グループホームの責任者は「ホームで預かります」。
グループホームの責任者とケアマネージャーは面談の前に父と面会したようです。
その時の父の様子を見て、母に「あの調子ならグループホームに戻ったらお父さんきっと良くなるから」と言ってくださいました。
今回はなんとか元のホームに戻る事が出来ました。
でも今後また同じような事が起こった場合を考えると...今からどうしたら良いか不安しかありません。
関連の体験記:「既読にならない方、賛成でいいですね?」LINEが流行り始めたころの「PTAグループトーク」の悲劇
関連の体験記:ああ、見てしまった...私が介護する86歳の義母が、介護を手伝ってくれない義姉に「こっそりお金を渡す姿」
関連の体験記:え!毎月8万円の援助を「20万円にして」って...年金暮らし・85歳の義両親に湧き上がる疑問
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。