<この体験記を書いた人>
ペンネーム:Nagisa
性別:女
年齢:49
プロフィール:海外で仕事に没頭していたバリキャリでしたが、親が心配するので婚活してみたら電撃結婚。新米主婦二年目です。
49歳になった今も働いている私ですが、ふとした時に、駆け出しの社会人だった頃の苦い経験を思い出します。
高校時代の私は勉強は一切せずにただ楽しく過ごしました。
私立の短大に入ってからは、高い学費を出してもらって親に悪いと思い、一生懸命勉強したものです。
お陰で成績はトップクラスで、就職先では優遇されました。
研修期間からいきなり花形部署に配属され、やりがいのある仕事ばかりをもらいました。
しょっぱなから他部署の先輩から嫉妬されましたが、妙な意地悪をされたことはありませんでした。
その職場では上下関係が厳しく、1年目は先輩たちから怒られてばかりでした。
そのまま2年目に入りましたが、後輩は入ってきません。
その代わりに、私と同じ年齢ですが高卒なので入社年数的には先輩にあたる女性が配属されてきました。
仮に彼女をAさんとします。
その部署の仕事に慣れているのは私のほうなのに、Aさんは毎日、遠くからすっ飛んできて、どうでもいいことで叱ってくるのです。
普段は人当たりのいい人なのですが、私が何か新しい仕事をもらうと、突如変貌。
嫉妬心を自制できないようでした。
Aさんはそのことに罪悪感もあるらしく、別の場所ではやたら私に対して気を遣い、いい人ぶるので気の毒に思えたほどでした。
ある日、入社当時から私を育ててくれた先輩から、Aさんのことで「みんな分かっているよ、耐えるんだよ」と同情の眼差しで言われました。
その先輩は、Aさんよりもさらに年上で2年先輩です。
他の先輩も上司も、Aさんの私に対する理不尽な態度を頻繁に目にしていましたが、誰も彼女に注意してくれた様子はありません。
異常なくらい上下関係が重視され、後輩は先輩から叱責に耐えるのが当たり前であり、成長には欠かせないと考えられていたのです。
当時の私はAさんにやられっぱなしでしたが、仕事を離れれば嫌な人ではなかったため、Aさんを嫌うことはありませんでした。
そんな風に働きながら3年経ち、私は24歳の時に転職しました。
引き抜かれたのです。
新しい職場でも私は一番後輩で、退職するまでずっと一番年齢が下でした。
当時60代のお局のような人から、ただ若いというだけで睨まれ、世話好き(?)の50代の女性からは姑のように見張られ、うつになった時期もありました。
しばらくして良い仕事をもらうようになると、今度は嫉妬されるようになりました。
嫉妬してくるのは、50代以上の女性の先輩ばかりです。
私はただ無視し続け、自分の仕事を黙々とこなしていました。
以前の職場では、わけもなく叱ってくるAさんのことを悪く思ったことはありませんでしたが、その嫉妬を向けてくる先輩たちを「大嫌いだ」と思うようになりました。
気づかないうちにどんどんネガティブ思考に陥っていったのです。
それを注意してくれたのは、私よりも10歳年上の当時の社長でした。
私が30代前半だった頃のことです。
最初は私は「周りの人間が悪いからだ」と思っており、社長の指摘を受け入れられませんでしたが、徐々に考え方を改める努力をしました。
社長の指摘である「不必要な他者への批判をやめ、相手の良い面を見るようにした」のです。
そうすると、さらに重要な仕事をもらえるようになり、毎日がとても楽しくなりました。
周囲の人間の様子は変わりませんでしたが、気にならないくらい忙しく、仕事に没頭していました。
大切なのは無関係の他人の目や思いではなく、与えられた仕事をそつなくこなすこと、そして、仕事をくれた上司や社長からの評価です。
他人からの嫉妬は無視し、こちらからは敬意を表し、相手を尊重するようにしたら、周りの私に対する嫉妬心は軽減していったようです。
仕事のことでも一目置いてくれるようになりました。
昨年、結婚のためにその会社を退職しました。
勤めていた最後の10年間はとても充実しており楽しく仕事ができたこと、人間的にも成長の機会を与えられ、貴重な勉強をさせてもらったことに心から感謝しています。
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