アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。今から36年以上前の、結婚当初のことを思い出しながら書いています。
前回の記事:「こんな成績取っとったら将来は...」長男の通知表を見て、姑が言い放った暴言
小学1年生の長男がはじめてもらってきた通知簿を見て、「こんな成績取っとったら、将来は刑務所暮らしやな!」と吐き捨てて行った姑。
以来、姑が子供の勉強に関して一切口を出さなくなったのは助かったが、はっきり言ってそれからが大変だった。
学校と相談すると、長男は基礎が出来ていなかったので「その部分はご自宅で」と言われた。
それは無理もない。
学校では日々カリキュラムに沿って学習が進む。
成績の悪い子だけ居残り勉強と言う訳には行かず、通常の授業について行けなければ各家庭で何とかしなければならない。
そしてこれは小学校に入ってからわかった事だが、長男が入学した小学校は公立でありながら教育モデル校になっていて、有名私立中学の合格者数が多く、よって保護者も教育に関してとても意識の高い人が多かった。
この小学校に通わせたいからと、わざわざ校区に引っ越してくる人もいるくらいなんだと同級生ママから聞いた。
小学校に入ってからみんな同じスタートラインなんて事などとんでもなく、ましてや姑の言うような「時期が来たらできる様になる」なんて言っていられる環境ではなかったのだ。
そこで、近隣の塾などを調べてみたが、息子の学力では入塾テストで弾かれてしまうところも多い。
入塾テストが無く、尚且つ長男の学力に応じて指導をしてくれるところを必死になって探した。
いくつかの塾からパンフレットを貰い、深夜帰宅した夫に見せた。
それぞれの塾の特性を説明し、どの塾にするのか早々に決めなければならないと話した。
普段の夫の子供との関わりを見ていて、てっきり決めていいよと言うと思っていたのに今回の夫は違った。
「ちょっと、調べて考える時間をちょうだい」
「な、なるべく早く決めてね...」
夜も遅かったので夫もゆっくりパンフレットを見比べてみたいんだろうと、その場はその程度で話しを終わりにした。
それから2日経っても3日経っても夫からは一切話しは無く、帰宅した夫に問うと 「僕は一日遊びに行ってるんと違うんや!まだ考え中!」 と不機嫌になる。
ではパンフレットを返してくれと言うと 「会社の机の引き出しに入れてきた!考え中やと言うとるやろ!」 と大声を出す。
別に夫に大声を出されたからと言って怖い訳でもひるむ訳でもないが、深夜11時過ぎ頃に帰って来るのだから子供達は寝静まっている時間だ。
夫にしてみれば、大声を出させたのも私のせいで、子供が起きたとしてもそれは私が悪いと思っての事なのだろう。
そこから1週間待った。
夫がいつもの様に深夜帰宅し、私は今日で1週間待ったのでどういう結果になったのか問うた。
すると夫がカバンから見覚えのないパンフレットを出し、広げて私に説明しだした。
「ここに4~5年預けたらどうかと思うんやけど?」
そのパンフレットは山村留学のパンフレットだった。
「えっ?長男を山村留学させるん??」
驚いて聞く私に夫が調べたらしい事を説明する。
「毎月いくらか生活費を支払ったら、のびのびとした自然の中で面倒見てくれるらしい。ここに住んでたら、学校の事とか成績の事とかで長男も嫌な思いをするやろ? そやから4年でも5年でもそこで世話になったらどうかなと...」
私は怒りを通り越してとても悲しくなり、涙があふれ出て来た。
「子供の塾をどこにする?って話しが、なんで山村留学の話しになるん!? あんたそんなに子供の事に関わるんが嫌なんか!」
怒鳴った私に間髪入れずに夫も大声を出した。
「僕は会社で頑張ってるやろ! それ以外の事に神経使わさんといてくれよ! 長男がそこに行ってくれたら、ぼくらは当分長男の事で頭使わんでええやん! 長男の事で揉めんでええやん! 毎月生活費払うだけで面倒見てくれるんやで? かづも助かるやろ?」
山村留学の件は夫も色々考えての事だったのかも知れないと思ったが、やっぱり夫にしてみれば厄介払いをしたかったとしか思えなかった。
自然を体験したいであったり、普段できない貴重な体験をさせて頂きながら集団生活を学ぶ場なのだろうが、けれどもこのタイミングでこれは無いだろうとしか思えなかった。
「私はあんたみたいに『この子がいなかったら楽になる』なんて考えた事なんか無いから!! もう二度とあんたに相談なんかせぇへん!」
そう私が怒鳴ると、夫は情けない声で言った。
「僕の子供やのに僕に相談無しで育てる気か!? 僕は頑張って稼いでるやろ!」
私は怒りながらも吹き出しそうになった。
「あんたが父親らしい事をいつした!? 夫らしい事もせぇへん! 父親らしい事もせぇへん! 家事は全くせぇへん! 地域の係や役員にも出ぇへん! これで稼がれへんかったら、あんたに何が残るねん! むしろあんたはなんの役に立つねん! 稼ぐ事以外で出来る事を言うてみぃ!」
夫は絶句したまま、山村留学のパンフレットをくずかごに入れた。
続く
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