アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。今から36年以上前の、結婚当初のことを思い出しながら書いています。
前回の記事:「出産直後やからって、ただ寝とく気か?」おせち料理の品数まで姑が指図する悲惨な正月
当時、長男の通っていた幼稚園は、これといってお勉強を教えている訳ではなかったが、自分で字を書ける子は掲示物の名前は自分で書いていた。
壁に貼っているお絵かきや展示されている作品のお名前で、自分で書ける子とまだ書けない子が分かってしまう。
長男は年少で入ったが、年中ともなるとクラス30人の半数以上が自分で書けるようになっていて、書けない子は毎回先生に書いて貰っていた。
私は別に教育ママでもなかったが、公園に行く時や買い物に行く時の道路標識などを見て
『あれは「と・ま・れ」。(現在は「止まれ」)こっちは「こ・こ・ま・で」』
と指さして教え、ひらがな積み木で長男の名前を選んで覚えさせていた。
自分の名前だけでも読んで書けるようにと思って教えていたが、出来る様になると褒めて欲しくて子供は誰にでも言うようになる。
案の定、長男は姑にも言った。
「お婆ちゃん、僕自分の名前を読めるねんで。書けるようにもなってんで。」
当然褒めて貰えると思っていた長男だが、姑は違った。
姑は怒り心頭の顔で私に向かい、突然怒鳴り始めた。
「あんた!子供に字ぃなんか教えとんのかいな! たかが○○高出の癖して何様のつもりや! 子供に字ぃ教えて、小学校に行ってから『僕知ってるから勉強なんかせんでもええ』って言いだしたらどないする気や! 字ぃなんか学校に入ってからでええんや! 要らん事せんとって!」
別に私は自分が褒められようなんてこれっぽっちも思っていなかったが、逆に怒鳴られるなんて思ってもみなかったので、ショックと言うより驚いた。
姑は長男に何度も何度も言い含めた。
「勉強なんてあんたがやりたいなぁって時期が来たらなんぼでも出来る様になるんやから、今はなんもせんでええんやでぇ。学校行ってからでもなんぼでも出来るんやから、今は字ぃなんて覚えんでええ。勉強言うんはな、人それぞれ時期っちゅうのがあるんや。その時期が来たらなんぼでも出来る様になるから今はせんでええ。」
姑にとって私は息子や孫の身の回りの世話係りにしか思っていないので、孫を教育する事は余計な事だったんだろう。
その後も、長男がテレビや絵本の文字を読み上げるたびに姑は私にまだ教えているのかと怒鳴り、長男には勉強は今はする時期じゃないからしなくていいと言い続けた。
要は、姑は「お母さんの言う事は聞かなくていい」と長男に言いたいのだ。
幼稚園では字が読み書き出来なくても別段何も言われる事は無かったのと、長男が文字を読むたびに姑から私へと罵声が飛び、それを見て長男がしまったと言う顔になるのが気の毒で、私は長男に字を教える事をしなくなった。
恐らく小学校に上がってから、「お婆ちゃんが教えてあげるね」的に、姑が長男に字を教え、それまでに私が字を教える事は、嫁に先を越されたとでも思ったのだろう。
そうこうしている内に、長男は小学校に入学した。
入学して、長男は最初から躓(つまづ)いた。
同じクラスのほとんどがひらがなが読み書き出来る子達で、長男は教科書どころか、先生が黒板に書く文字も読めない。
もちろん連絡帳を自分で書く事も出来ず、黒板の文字を写すだけでも時間が足りず、ほとんどの授業を聞いて頭に入れる事が出来なかった。
授業のノートもプリントも全て何を書いているのかわからず、当然理解する事無く書いているので本人に聞いてもわからない。
毎日毎日同級生の親御さんに電話をかけては、連絡帳の内容やプリントの中身を確認した。
そうこうしていると当然相手もだんだん迷惑になって来るので、幼稚園から同じだったママ友数人に、毎日電話して確認した。
もちろん学校の先生にも電話をして確認したり、学校に直接行って詳しく聞く事もした。
入学してから3ヶ月ほど経った頃、突然担任の先生が家庭訪問に来た。
入学当初に家庭訪問は済んでいたので、長男が何かしたのかと驚いて対応に出た。
「失礼します。あの、今日はお婆様はいらっしゃいますでしょうか?」
先生は開口一番にそう言ったので、私は驚いて返事をした。
「いえ、一緒には住んでいませんので...。」
家庭調査にも家族構成を書いているから、姑と一緒には住んでいないことは分かっているはずなのに?
「今日は何か...?」
姑が一緒に住んでいないことを聞いた担任は少し言いづらそうに話しだした。
「長男君の事なんですが...。授業中にほとんど聞いていないので少し注意したんです。そしたら...。」
その後の担任の話に...私は驚愕した。
続く
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