<この体験記を書いた人>
ペンネーム:トトロ
性別:女
年齢:52
プロフィール:コロナ疲れ? それよりコロナ太りが心配。
義父の死後、地方でひとり暮らしをしている義母は70代後半です。
最近までバリバリ仕事をしていて、退職後は義父が世話をしていた畑も引き継ぎ、毎日休むことなく動きまわっています。
現在51歳の夫と、約28年前に結婚した当初から、義母のもてなしは変わりません。
いたれりつくせり、心づくしのもてなしに今も感謝しています。
年に2~3回盆休みやお正月に泊まりがけで遊びに行くのですが、毎回上げ膳据え膳です。
忙しいのにいつのまに? と毎回思うのですが、買い物から調理、盛り付けまで1人でこなしてごちそうしてくれます。
仕上げくらいは手伝うと申し出ても、義母は聞いてくれません。
「いいから、いいから、先にお風呂入ってさっぱりしておいで」
そんなお言葉に甘えてお風呂から上がると、もう食卓にはあふれるほどのごちそうが並んでいます。
義父が元気だった頃、お酒の好きな義父と同じくお酒の好きな私たち夫婦は、ほとんど立つことなくみんなで晩酌を楽しんでいました。
そんな時、私が何かを取りに立とうとすると、それより先に義母が立って取ってくれます。
子どもが小さかった頃は、子どもの面倒は全部義母が見てくれて、「お義母さん、いつ食べてるの?」と思うくらいでした。
そして、だらしなく寝落ちしてしまった私を責めることなく、洗い物を全部済ませて布団まで敷いてくれる義母です。
飲み過ぎて翌朝寝坊しても、起きたら完璧な朝食が仕上がっています。
「お義母さん、いったいいつ寝たの?」
帰省したときはいつもそんな状態なんです。
「こんな自堕落な嫁でお義母さん怒ってない?」
「お袋は裏表がないし、怒るときははっきり怒るから気にしなくていい」
初めの頃は心配で、夫に聞いたりしていたのですが、だんだんと慣れていった感じです。
義母も私達が楽しんでいるのを見るのが嬉しいといってくれていました。
ひとりっ子の夫は中高生の頃、訳もなくグレていた時期があり、それこそ手に負えなかったと義父母が言っていました。
しかし高校卒業後、すぐ都会に出てひとり暮らしを始めた夫は、次第に親のありがたみがわかったのか、徐々に関係性が良くなったそうです。
だけどいっときはもう二度と帰って来ないんじゃないかと思っていた、と当時のことを話してくれました。
そんなに心配させられた息子が結婚し、孫を連れて遊びに来てくれることが義母はすごく嬉しいそうで、出来る限りのことをしてあげたいと言います。
「なんにもしない自堕落な嫁でごめんねー」
「娘が欲しかったから嬉しいよー」
冗談で私がそんなことを言うと、温かい言葉で返してくれる義母に、感謝しかないのです。
関連の体験記:「夜中の雷、すごかったですね」そう聞いた私への、認知症の義母の「素敵な返答」/バニラファッジ/なとみみわ
関連の体験記:「食べられるものがないの...」90代の義母が待ち望んだ食事会...ど、どうする!?
関連の体験記:1人1本なのに、なぜか40本のマヨネーズが...! 義母がとった仰天行動
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。