「生きたお金の使い方をしたいのよ」子どもの進学費用をそっと援助してくれた義母

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ゆきちゃん
性別:女
年齢:52
プロフィール:朝起きて寝るまで12時間くらいしかないのはなんでかな。

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52歳になる私たち夫婦には子どもが3人います。

1番上の子が高校へ進学した13年ほど前のことです。

子育てに追われ、家のローンに追われ、気付けばほとんど貯金のないまま、高校進学の時期がきました。

幸い公立高校に合格したものの、思っていた以上にお金がかかることに驚きました。

中学と違って、高校は教科書代が必要ですし、指定の電子辞書も必要でした。

電車通学なので定期代もかかります。

毎月授業料がかかり、さらに3人とも塾代もかかり、習いごともあり、ため息しか出ない毎日でした。

現在70代後半義母は、義父の死後離れた町でひとり暮らしています。

その頃は60代でした。

その義母が「高校合格おめでとう」と、お祝いを持って来てくれました。

「少しだけど」と、少なくないお金を渡してくれた義母に「すごく助かります!」と、食い気味に受け取った私。

驚く義母に、つい「思った以上にお金がかかって大変だったんです」と、愚痴ってしまいました。

全然貯蓄が出来ていないことを非難されるかも知れないと思いましたが、義母は「3人もいたら大変よねえ」と同調してくれました。

それから数日後のことです。

義母から「これから遊びに行っていいかしら」と連絡がありました。

やって来るなり義母は「これ、良かったらつかって」と厚い封筒を差し出しました。

「先日も頂いたのに受け取れません!」と言う私に、義母はこう言ってくれました。

「こないだのは純粋に〇〇(子どもの名前)ちゃんが頑張って勉強して合格したお祝い。だから、お小遣いとしてあげて。これは、これから塾へ行ったり大学進学に向けてますます頑張ってもらうためのお金。ママ(私)が受け取って、子どものために使ってあげて」

そう言って微笑む義母。

ありがた過ぎて涙が出そうになりました。

聞けばこんな時のために、子どもたちが幼い頃からコツコツ毎月貯めていてくれたそうなのです。

夫はひとりっ子で、義父母は共働きでした。

それでも子ども1人を育てるにはお金がかかり、大変だったと言います。

それが3人ともなるとさぞかし大変だろうと思っていた、と義母は言いました。

そして、自分はもう年金もあり、生活に不安はない。

生きたお金の使い方をしたいから、これからは未来のある孫に使いたいと言ってくれました。

この義母の援助のおかげもあり、1番下の子も今春、無事に高校を卒業し、大学に進学出来ました。

1番困った時に助けてくれた義母に感謝しかありません。

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