<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ミー
性別:女
年齢:53
プロフィール:53歳の共働きの主婦です。55歳の夫と、ペット可のマンションで2人暮らしです。
53歳の共働きの主婦です。
55歳の夫と、マンションで2人暮らしです。
我が家では何も飼っていませんが、住んでいるマンションは「完全室内飼い」を条件にペット可です。
私は動物好きで、たまにミーちゃんという飼い猫を抱っこした同じフロアのAさん(70代)に会うと、撫でたり抱かせてもらったりしていました。
ミーちゃんも私にかなり懐き、ニャーニャー甘えた声を出しながら、私を追いかけてくるくらいです。
ミーちゃんは青い目をした血統書付きの美猫で、当初は住人のアイドルでした。
でも...そのミーちゃんが、アイドルから厄介者へと転落してしまったのです。
それは今年(2020年)の2月頃からのこと。
私は一度も目撃していないのですが、ミーちゃんがAさんの部屋から脱走し、同じフロアのベランダを駆け回るという事件が、多発するようになったのです。
いくら可愛い猫でも、ベランダに侵入されてはいい気はしないでしょう。
ベランダに侵入された住人の中から、Bさんという70代の男性と、持ち回りの役員の一人である私が代表として、Aさんに「猫を家から出さないようにして欲しい」と、伝えることになりました。
この時点では、誰もが大ごとにするつもりなはく、Aさんが気をつけてくれれば、管理人にも報告しないつもりでした。
Aさんは、すらりとした上品なマダムで、私が知る限り、決して非常識な人ではありませんでした。
ですので私は、Aさんはきっと大いに反省するだろう、と思っていました。
ところが...予想は大きく外れました。
「(ミーちゃんは)家から出していないから、それはうちの猫じゃない」
その一点張りなのです。
Bさんが「珍しい猫だし、目撃者もたくさんいる」と食い下がると、「言いがかりをつけないで」とバタンとドアを閉められてしまいました。
Aさんは半年ぐらい前にご主人を亡くし、現在は一人暮らしのため、Bさんと私は管理人さんに事情を説明しました。
すると、管理人さんから「意外な事実」を聞かされたのです。
とても若々しいAさんですが、「実は認知症が始まっている」という相談を、Aさんの妹さんから、管理人さんが受けている、ということだったのです。
ご主人を亡くしたショックが主因のようです。
妹さんはAさんの状態次第では、マンションを引き払って施設に入れることも考えているといいます。
管理人さんは、管理会社も交えAさんの妹さんと相談しました。
そして、厳重に注意したうえで、もう少しだけ様子を見て、改善されないようなら、マンションを引き払って貰う、という結論に達しました。
ですが、その後も猫は週に1~2回は脱走し、ベランダを走り回っては、家に戻るを繰り返しました。
私は買い物に出ていて居合わせていないのですが、我が家でも夫が目撃しています。
注意をしても、Aさんは「出していない」とか、「あら、そう?」とか、そんな感じに聞き流していたといいます。
住人たちはカンカンで、「出て行ってもらう」と息巻き、結果としてAさんはマンションを引き払い、施設に入りました。
猫は親戚に引き取られたそうです。
トラブル・メーカーがいなくなり、住人たちはホッとした様子でしたが、私の胸中は複雑でした。
なぜなら、ある可能性を考えてしまったからです。
ひょっとしてミーちゃんは、私に会うために脱走し、ベランダを駆け抜け、途中で住人に気付かれて騒がれたために、家に戻っていたのではないでしょうか。
それが証拠に、私の部屋よりも先の部屋では、目撃されていないのです。
管理人さんに報告したところ、「そうだとしても、あくまで飼い主の責任だし、いずれにせよ、もう一人暮らしは無理だった」と言われました。
そうなのかもしれませんが、心は重いです。
もう無闇に他人のペットを可愛がるのはやめようと思いました。
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