<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ピノキオ
性別:女
年齢:39
プロフィール:結婚13年目、夫と息子の3人暮らし。会社員。
12年前に私、8年前に妹が結婚をし、家は両親だけとなりました。
夫婦2人の生活が寂しかったのでしょう。
父母は近所のペットショップで、仔犬に一目惚れをし飼うことに。
それがポメラニアンのルイでした。
ルイが来てからは、両親に活気が戻り、実家はとても賑やかになりました。
父も母もルイが可愛くて仕方がないようでした。
ルイの散歩や検診にも必ず2人で行きます。
「ペットOK」の店や宿を探して、外出や旅行をルイと一緒に楽しんでいました。
ルイのご飯は母が全て手作りで、食事も一緒、寝る時も一緒でした。
端から見てると、2人の「親バカ」ぶりが面白くて、よく妹と一緒に冷やかしたものです。
ところが1年前、突然ルイが体調を崩し、この世を去ってしまったのです。
両親の悲しみはとても深く、父も母も何もする気が起きないの様子でした。
ただただ、ボォっと日々を生きているといった状態がしばらく続きました。
私も妹も心配になり、父と母の沈んだ気分が少しでも晴れるようにと、食事に誘ったり、自分達の家に招いたりしました。
時間はかかりましたが、父も母も以前と変わらぬ様子になってきたので、私達も安心していたんです。
ところが先日、仕事で実家の近くに行った夫からの驚きの報告がありました。
夫が仕事ついでに実家に立ち寄ると...「家の中が、テレビなどで見るゴミ屋敷のようだった」と言うのです。
急いで実家に行ってみると、そこには信じ難い光景が広がっていました。
キッチンの床には、ビニール袋に入ったゴミが散乱し、シンクには使った食器や鍋類が放りこまれ、脱衣所には汚れた衣服が山積みになっていました。
父も母も綺麗好きで、特に母は「潔癖症」じゃないかと思うほど家中をピカピカにしていたので、私はとてもショックでした。
本当はまだルイの死から立ち直っていなかったのでしょう。
私達の前で以前と変わりなく振舞っていたのは、気を遣っていたんだと思うと涙が溢れてきました。
2人に話しを聞くと、特に母の方が重症のようでした。
食事も殆ど、父が作ったり、出来合いの物を買ってきたりしていると。
最近は、買い物も父が行っているようです。
母は、気が向いた時に食事の支度をし、着替えの下着がなくなると洗濯はするらしいのですが、大半はぼんやりとルイの写真や動画を見て過ごしているみたいです。
夫や息子は、犬をまた飼えば元気を取り戻すんじゃないかと言いますが、私は父母がルイ以外の犬を受け入れられるのか想像がつきません。
とりあえず、妹と交代で週に数日は、実家に通い様子をみようと思っています。
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