<この体験記を書いた人>
ペンネーム:konohana
性別:女
年齢:53
プロフィール:専業主婦です。55歳の会社員の夫と新大学生の息子と3人暮らしです。平穏な日々を待ちわびています。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために発令された、緊急事態宣言。
外出自粛となり、全国のご家庭に影響がある中、我が家も、家族それぞれに生活の変化がありました。
まず、55歳の夫は在宅勤務に、新大学生で20歳の息子はオンライン授業になりました。
それによって、私の生活にも様々な変化が起こりました。
在宅勤務の夫は、就業時間通りに過ごします。
オンラインで朝礼があったりするらしいのです。
通勤時間がなくなった分、起床時間が1時間ほど遅くなり楽になったのは良かったのですが、朝食を食べた後、夫は2階の部屋に出勤。
場所が自宅であれ、仕事なので出勤なのです。
自粛前までは夫を見送ると「やれやれ」と伸びをし、ソファーに横になりながら、テレビを見たり二度寝をしたり、珈琲を飲んでぼーっとしたり、とにかくリラックスしていました。
ところが、今は2階で夫が仕事をしていると思うと、おちおちリラックスもしていられない気分です。
なんだか私だけさぼっているみたいだし、夫が1階に降りてくることもあります。
もちろん、珈琲を入れたり、用事があったりするだけで、私を監視しているわけではもちろんありません。
しかし、何もしていないことがなんだか後ろめたくて、掃除機をかけるなり、台所仕事をするなり、やることを探してしまいます。
適当な家事が見当たらないときは、布マスクを縫って「さぼってない感」を出しています。
夫自身はいつも通りにしていていいと言ってはくれるのですが、いつも通りの私を見たら、さすがに心穏やかではいられないのでは、と背中に緊張が走るのです。
そして、それよりなにより、私のゆったりのんびりとした平穏な日々を、大きく変えてしまったのが......そう「昼食作り」です。
夫は就業時間にきっちり合わせて生活しているので、お昼休みは12時から13時まで。
自分でコンビ二で好きなものを買ってきてほしいところですが、夫にそんな時間はありません。
となると、12時には昼食が用意されていないと、夫のお昼休みに間に合いません。
私は、午前中のそれらしき活動を終えると、11時半には昼食づくりの準備に立ち上がります。
テーブルを拭いてお箸を置いて。
メニューといえば、チャーハン、焼きそば、ホットドッグ、お蕎麦、パスタのローテーション。
決して難しいものを作るわけじゃないのです。
でも、時間通りに用意するのは結構大変です。
最初は、昼食が作られていることを喜んでいる様子だった夫も息子も、最近ではごく自然に、当然のように食べ始めます。
私は社内食堂のおばちゃんか。
いささかのいら立ちと、少しばかりの虚しさが胸をよぎります。
ああ、ひとりならお餅2個でもコンビニのおにぎり2つでも十分なのに。
それに、ずぼらな私は、朝食夕食以外では鍋を洗いたくない主義。
ママ友でも、お昼にお鍋でインスタントラーメンを作って食べるという人の話を聞いて、びっくりしたぐらい。
そんな私が、昼間に台所に立って昼食を作ったり、鍋を洗ったりするなんて!
あぁ、以前のようなずぼらなリラックスした私の日常はどこに?
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、すぐに以前のようにとはいきませんよね。
台所仕事をしなくてもよいランチタイムは、いつ戻ってくるのでしょうか?
関連の体験記:コロナ自粛で孤独な日々...。そんな私に元気をくれた、配達員さんの「ある行動」/なとみみわ
関連の体験記:「そんな気ないぞ、俺は」母が亡くなり一人暮らしの89歳父。兄夫婦との同居を断る「意外な理由」は...
関連の体験記:息子よ、自分の意思はないの? 3歳年上の妻のクレームをそのままメールしてくる姿にガックリ
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。