<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくら
性別:女
年齢:53
プロフィール:家族が3人増え、幸せな時間と大変さが同時にやってきました。
50代後半の夫は超仕事人間です。
ワーカーホリックと言っても過言ではなく、結婚して以来約30年間ずっとそう。
子供が幼かった頃には、学校行事や家族でのレジャーなら積極的に参加するものの、それ以外の家事に関してはほぼほぼノータッチ。
お盆やお正月準備をほんのちょっと手伝うくらいです。
きっとこれを許したのが悪かったのでしょう。
夫は家にいても何もしない、私がどんなにバタバタしていても何もしない、暇を持て余しても何もしない、それが当たり前の人になってしまいました。
このことに私は不満を抱えつつ、そういう人と結婚したんだから仕方ない。
他に不満はないからOK? なんてやり過ごしてきました。
そうこうしていると子供が成長し独立。
夫婦二人だけの生活に突入すると、家事の負担も随分と楽に。
いつしか夫への不満もどこかへ忘れ去っていました。
しかし、そんな我が家の環境が激変、離婚した娘が孫を2人連れて帰ってきたのです。
暫くして娘は生活のためにフルタイムの仕事に出ることに。
ほぼ毎日が残業で、平日は家事やら孫育てサポートが必要になりました。
それ自体は理解できるのです。
仕事なので仕方がないですし、孫と過ごす時間はこの上なく楽しいですから。
とはいえ、家族が一気に3人増えたのですから、生活を維持するのは簡単ではないのです。
洗濯物、作る食事の量、洗う食器の数、購入する生活必需品もすべてが倍以上。
その分時間も体力も必要で、私は1日中仕事や家事に追い立てられる生活に変わりました。
それはまるで昔、子育てをしていた時と同じかそれ以上。
年齢を重ねた分余計キツさを感じます。
それに自分の時間なんて全く取れなくて、そのストレスが辛さを後押しします。
なのに夫はこれまで通り。
私がどんなに忙しそうでも知らん顔。
音楽を聴きながらノリノリだったり、スポーツ観戦に興じていたりと、何も変わらない生活を続けています。
そんな夫の姿を見ていてついに私の不満が大爆発!
「娘や孫を支えてやりたい。でも私一人じゃ手が回らない。だから今の私は自分の時間なんて全く取れていないの。それなのにあなたはこれまで通りの生活を私に見せつけている。そんなあなたにイライラするの!」
夫に思いの丈をぶつけました。
自分でもびっくりするような勢いで、涙をポロポロ流しながら。
すると夫はビックリ仰天。
初めての出来事におろおろしつつ、なんとか私を落ち着かせようと背中をさすったり、飲み物を飲ませようとしたり、私の好きなチョコレートを持ってウロウロしたり。
「全然気づかなかった。俺も家の事やるから、ホントにゴメン」
そう言葉を掛けてくれました。
しかし、私の怒りは収まらず、かえって腹が立ちました。
「どうせ言うだけでしょ? あなたの言葉なんて信じない!」
そんなふうに思っていました。
しかし私の予想に反して、この日以来、夫は猛烈な勢いで家事に参加し始めました。
お風呂の掃除、食器洗い、掃除機、孫の遊び相手や宿題を見る事までやってのけたのです。
その精度は正直まだまだなのですが、不器用ながらも家事をこなそうとする夫の姿は私に安心感を与えてくれました。
それを見ていると、怒りはどこかに消え、今は反省の気持ちが日に日に強くなっています。
よくよく考えると、これは私も悪いのです。
ここまで自分がストレスを貯め込む前に「手伝って欲しい」と、そう素直に伝えればよかったのです。
「どうせ無理」なんて決めつける前に。
今でも夫の家事はやっぱり不器用。
それでも何とか毎日家事をこなそうとする夫の姿を見ながら、反省したりほっこりしたりの毎日を送っています。
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