<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぽてとぽてと
性別:女
年齢:55
プロフィール:4年前夫を亡くして一人暮らし中です。週に一度電話をくれる3歳の孫の成長が喜びです。
近所にちょっと変わった人がいます。
食事の準備時、お茶の時間になると必ずと言っていいほどどこかの家庭を訪問する、という人です。
うちにも二日に一度くらいやってきます。
まわりは「あんたたち友達なんだから我慢しなさい」と言って笑っていますが、「友達じゃない、ただの同級生だ」と反論します。
そう。私の認識では友達ではないのです。
向こうはどう思っているのかわかりませんが。
私の住んでいるところはとても田舎で、人間関係がとても濃密です。
ちらし寿司や炊き込みご飯、てんぷらなど「ついたくさん作ってしまうもの」はご近所へおすそ分けするのが当たり前。
だから「いい匂いやね」と訪ねてこられると「食べる?」と聞くのは条件反射のようなものです。
ただそれが度々となると......。
私は小さな畑を持っています。
自分と東京の息子一家、大阪の娘一家、姉夫婦が食べるのにちょうど良い大きさで、出荷などは一切していません。
たくさんできればご近所におすそ分けすれば食べきれる程度。
ただ、去年の夏の終わりから秋の半ばまで、足の手術とリハビリで入院していましたので、近所の従兄に管理を頼んでいました。
退院の前日に従兄の奥さんから携帯に電話があり、てっきり迎えの話だと思い「迷惑かけてごめんなさい」と言うと、「それどころではない」とのこと。
「何だろう」と思って聞くと「さっきうちの畑を見たら、植えてあったジャガイモが全く無くなっている」というのです!
「イノシシでも出たのかと思いましたが、誰かが掘って持って行ってしまったようだ」と。
まさかそんな...と思いながら翌日帰宅すると、確かに畑はカラッポ。
でも家の納屋の前に農業用のコンテナに入ったジャガイモが置いてありました。
コンテナもうちのものですし、多分うちのジャガイモだろうと思いつつ、何だか気持ち悪くてその日はそのままにしておきました。
翌朝、例の「ただの同級生」の彼女が現れ「ジャガイモ掘っておいたから」と笑顔。
「頼んでないけど」
「でも畑で腐るじゃない?」
「従兄に頼んでおいたから大丈夫だったのに」
「でもいつまでも掘らないし」
...と埒があきません。
親切のつもりかもしれないしと...思い直し、とりあえずお礼と「良かったらジャガイモ持って帰って」と言いました。
すると「わかった」と彼女は納屋のほうへ行き、私は持って帰るためにレジ袋を取りに中へ入りました。
そして納屋の前に戻ってくると、3つあったコンテナが1つになっているではありませんか。
今度は何が起こったのか!?とキョロキョロしていたら、「車に積んだから」と彼女の軽トラックの荷台にはうちのコンテナが2つ。
4家族が半年食べて余るくらいのジャガイモの3分の2を一人で持って帰るの?
びっくりしてしまって呆然としている間に、彼女はさっさと帰ってしまいました。
その後、従兄の奥さんから電話があり「その人がジャガイモを掘っていたのを近所の人が見ていた」ということを教えてくれました。
他人の畑で何をしているのかな? と思ったけど、友達だから(世間は友達だと思っているので)頼まれたのかな、と思ったと。
その時にも大きなレジ袋に2つにジャガイモを収穫し、両手に下げて帰ったそうです。
従兄の奥さん曰く、「親切なんかじゃなくて、ジャガイモが欲しかったから掘りに来ただけ」。
今日も持って帰ったと話すと自分のことのように怒って「出入り禁止にしなさい!」と私のほうが叱られてしまいました。
そんな彼女は、昨日も14時半ごろに現れて、「宅配便が来てたね。何か来たん?」と笑顔。
息子からお菓子の箱が届いたのですが、「家を聞かれただけ」と嘘をつきました。
息子が一緒に暮らそうと言ってくれているのをずっと断っているのですが、彼女から逃げたくて、東京へ行こうかと思う今日この頃です。
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