<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くっすん
性別:男
年齢:61
プロフィール:61歳のサラリーマン。地元を離れ、早35年が経ちました。
私は61歳の会社員です。
生まれ育った場所は大阪府なのですが、仕事の都合で就職した18歳の頃から徳島県に住んでいます。
そのまま徳島県出身の妻(58歳)と結婚し、娘(28歳)と息子(25歳)も徳島で育ちました。
大阪の方の実家は私の兄(65歳)が継いでいますので、妻とも「定年後もこのまま徳島に住むんでえぇなぁ」とすっかり馴染んでしまった阿波弁で話していた矢先のことです。
実家の母(83歳)から突然帰ってくるように言われました。
最初は電話で妻が対応したようなのですが、すごい勢いでその旨を伝え、こうも言ったそうです。
「私はあんたの実家に息子を婿にやったつもりはないんやでっ!」
慌てた妻は、あたふたしながら夫から折り返し連絡しますと言って電話を切り、困り果てたように私に相談してきました。
今までそんなこと言ってきたこともない母親だったので、突然何があったのかと私が電話してみることにしました。
すると母の...偽らざる本音が明らかになりました。
「自分の面倒は次男である私に見てもらいたい。墓も継いで欲しい」
実は、私と兄は異母兄弟なのです。
兄は父の先妻の息子で、先妻の方は兄を出産した際に亡くなってしまったそうです。
その後、父が母と結婚し、私が生まれたという感じです。
言われてみて、母の気持ちも少しわかりました。
母は、兄も息子として育ててきたとは思います。
ですが父は一昨年に亡くなり、今、実家は母と、兄と兄の奥さん(61歳)、兄の息子さん(30歳)で暮らしています。
きっと父をいきなり亡くしてしまい、血の繋がった家族が身近にいないことで、母は不安にかられたのでしょう。
ただ、私から見ても、兄は本当に母のことを考えてくれています。
「俺が長男だし、母ちゃんのことは任せろよ」
昔からそう言ってくれていましたし、今後母の為にも家をバリアフリーに改装することも検討していると、法事の際にこそっと話してくれました。
血が繋がっていなくても兄は母を自分の母親として面倒を見てくれるつもりなのです。
私と兄の関係も良好で、むしろ...感謝すらしています。
母は、きっと今後が不安でどうしようもなくなって勢いで連絡してきたのだとは思います。
しかし、このことを兄に相談すれば少なからず兄もショックを受けるでしょうし、母がもっと実家に居づらくなってしまうと思います。
私自身、徳島の方で仕事勤めしていますし、家も建ててしまっているので、少なくともすぐに大阪の実家の近くに引っ越すということも出来ません。
今後、どうしたものか妻と一緒に頭を悩ませています。
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