<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひろし
性別:男
年齢:51
プロフィール:兄夫婦が両親と同居する実家からほど近くに住む51歳の会社員です。義姉(52歳)は母とうまくやっていたのですが...。
正月も迫ってきた年末、母(78歳)から電話が入りました。
「ああ、ひろし、お願いがあるんだけどね」
「どうしたの?」
「そろそろお節の支度を始めたいんだけど、今年は一人になっちゃったから手が足りなくて」
両親は兄夫婦(53歳と52歳)と同居していました。
義姉は専業主婦で、跡取り息子と一緒になったからにはと、母から我が家の流儀をいろいろと仕込まれていました。
ところが、兄に突然の地方転勤が命ぜられ、義姉もついていったため、「頼りの右腕」がいなくなってしまったわけです。
「ほんとに困ってるの、何とかゆう子さん(私の妻、50歳)をお借りできないかしら?」
「うーん、どうかなあ、ゆう子も仕事があるしさ」
「そう言わずに助けてちょうだいよ」
「まあ、分かったよ、帰ってきたら話してみる」
そう言って電話を切りました。
仕事から帰ってきた妻に相談してみました。
「えー? そういうのしなくていいのが良かったのに...」
専業主婦でやっていた義姉の代わりは荷が重いし、仕事が詰まってるので無理、と軽くいなされました。
日を改めて母に断りの電話。
「やっぱり無理だってさ。まあ、今年はおせちも外注してみたら?」
しかしそう伝えた途端、母が切れました。
「なに言ってんの! あんたが話すっていうから当てにして、もう材料もそろえちゃったんだよ」
「いや、だって、ゆう子がさ...」
「捨てろって言うの? 頼りにしてたんだよ!」
とにかくひどい癇癪でした。
やむなく妻を説得しました。
「まあ、義姉さんの代役は大変だと思うけど、ここは人助けだと思ってさ...」
「もう、やだなあ、今までお義姉さんに任せっぱなしにしてた負い目はあるけどさ...」
渋々休日だけという条件で引き受けてもらいました。
ところが...
「もういや! 二度と行かないから!」
休日のご奉仕を終えて帰宅した妻はひどくご立腹。
「ご苦労様、いったいどうしたんだ?」
「あんなの付き合いきれません、無茶苦茶よ、お義母さんは!」
話を聞くと、野菜を切れば皮のむき方が汚いと言われ、黒豆を煮るのに釘を入れ忘れたらそんなのは常識だとなじられ、何をやっても文句ばかり。
「挙句の果てに、洗濯物を畳んでないって言い始めて」
「なんだそりゃ?」
「煮物をしてる間の空き時間に、それぐらいするもんでしょ? だって! 私は家政婦じゃないわよ!」
さすがにこれはと思い、母に電話を入れました。
「あら、ひろし。今日はゆう子さんに来てもらえて助かったわ。次のお休みもお願いね」
「いや、母さん、ゆう子から聞いたんだけどさ...」
「みち子さん(義姉のこと)に比べると手際は悪いけど、片手間主婦じゃしょうがないわよ。この機会に私が仕込んであげるって、伝えておいてね」
絶句です。
その次の休日、妻が仮病を使ったのは言うまでもありません。
電話でそのことを伝えました。
「まあ、大変ね。じゃあ、早く治してまた来てください、って」
「またって? だって、もうお節は間に合わないだろ?」
「だから、家事を仕込んであげるからいらっしゃいってことよ」。
...とても妻には言えません。
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