<この体験記を書いた人>
ペンネーム:あおぞら
性別:女
年齢:50
プロフィール:夫41歳、実母81歳、社会人息子22歳、中一13歳娘の5人家族です。
実母は私が子供の頃から感情をあまり表さない人でした。
常に無表情なので、子供の頃はそんな母の顔色をうかがって生活していました。
また我が家の教育方針は「親には絶対に服従」というもの。
常に上から目線でものをいう実母のことが、子供の私は好きにはなれませんでした。
親友の母娘は姉妹のように仲が良く、実母がこんなお母さんだったらな...といつも羨ましく思っていたのを今でも覚えています。
自分が親になった時に、無表情な実母の気持ちが少しだけ理解できるようになりました。
私は姉、私、弟と年の近い3人姉弟。
母は子育てに大変だったと思います。
また、父方の実家で暮らしていたので、母なりに気を遣っていたことでしょう。
さらに父との折り合いが悪く、常に喧嘩ばかりしていました。
そんな色々な苦労が重なり次第に表情がなくなり、「常に無表情」になってしまったのだと推測します。
でも、母親には絶対に服従という考えや、いつも上から目線でものを言う態度は、母の気持ちが少し「理解できる」ようになっても、「好きになる」ことは出来ませんでした。
私達子供が独り立ちをした後、父と母は離婚し、母は1人暮らしになりました。
子育ても終わり、祖父母も他界し、1人暮らしになった実母。
たまに会いに行くと、実母は子供の頃よりも表情が明るくなっていました。
今までの苦労が吹っ切れたのでしょう。
私自身、子供心に抱いた実母に対する嫌な気持ちは少しずつ薄れてきました。
そんな中、今から15年前になりますが、団地で1人暮らしをしていた実母がご近所トラブルに遭い、私達家族と同居の話があがりました。
少し明るくなったこの実母となら同居してもいいかな?
そう思って同居を始めたのですが、一緒に生活をすると、子供の頃の実母にだんだん変わっていったのです。
次第に無表情になり、実母は「年寄りの言うことに間違いはない」と家族にも服従するよう求め始めました。
私だけではなく、私の夫や孫達にも上から目線で物を言う実母に家族も嫌気が差し、距離を置くようになってしまいました。
それでも大人になった私は自分の母親なので家族と仲良くしてもらいたい一心で、実母に態度を変えてほしいと懇願。
しかし実母の答えは「私は間違っていない」。
態度を改めることはありません。
私も実母に対し、こういう人なんだと割り切り、同居でも距離を置いて生活をすることに決めました。
そんな実母に最近変化がありました。
80歳を過ぎ急に私に甘えるようになってきたのです。
食事は別、自分の好きな時間に、好きなように食べるというのが母の流儀でしたが、突然私と一緒食べたいと言い出しました。
また、私が買い物に行こうすると「買い物に行くなら一緒に連れてって」と実母が言ってきました。
同居してから買い物に連れてってと言われたことは初めてでした。
その後も何度か買い物に連れてってと言ってくるようになりました。
私と食事を一緒にしたい、買い物にも一緒に行きたい。
年齢のせいなのでしょうか?
急に甘えてくる実母。
実母は表情が少し穏やかになり、上からの物言いもなくなりつつあります。
また無理にでも服従させようという態度もなくなり、あなたの好きにしてと言うようになりました。
これも年齢だからでしょうか?
子供の頃に憧れていた仲の良い母娘の関係になれるのかな?
そうも思うのですが、今までの実母に対する嫌悪感がどうしても目の前にちらつきます。
長年、無表情で上から目線だった実母の変化に、自分の気持ちがついていきません。
嫌なことがあっても血の繋がった親だし、この先は仲良くして行こうと思う気持ちと、今までの嫌悪感を水に流すことは出来ないと言う気持ち。
実母の変化に自分自身どうしてよいか分からず、日々モヤモヤしています。
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