こんにちは山田あしゅらです。
『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年以上が経ちました。義両親と同居しながら介護をしていた当時のことを思い出しながら書いています。
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ある日のこと
と、義父が珍しく頼み事をしてきました。
義父のやや要領を得ない説明によると
身体障がい者を対象にしたパソコン教室があるそうで
そこを一度見学したいというのです。
義父は市の広報誌を見て知ったらしく
名前を聞いて調べてみると
障がい者の自立支援を目的に行っているパソコン教室で
利用は障がい者でも健常者でもOK。
何かしら障がいをもった人が教える側になる・・・という特色があるようです。
そこで早速そのパソコン教室へ見学に行くことにしました。
小さな二階建ての民家を改装した事務所には
電動車いすの人が数人と
歩ける人が数人。
パソコン教室担当の若い男性は
自立歩行は可能ですが
言葉が上手く話せない人のようです。
言葉が不自由ながら一生懸命教室の説明をしてくれるその人に
日頃ぶしつけなことをついつい口にしてしまう義父が
失礼なことを言い出さないか少々ハラハラしましたが
意外なことに結構、真剣に説明を聞いています。
そして
パソコンでどんなことがやりたいか?
と聞かれると
と、答えていました。
義父は病気の影響で歩行が困難ですが手にも震えがあり、思うように物がつかめません。
ペンや鉛筆で字を書くこともだんだん難しくなっていましたし
少し前から箸もほとんど使えなくなってしまいスプーンで食べるようなっていました。
義父はずっとワープロを愛用していましたが→東芝ルポの話
パソコンにもワープロ機能がついているからパソコンを使ってみたら?
と再三勧めていたのです。
しかしパソコンへの乗り換えをずっと躊躇していました。
どうしてかというと、マウスやタッチパッドを使って指先の微妙な操作が出来ないからです。
ワープロは使い慣れていることもありますが、キーボードの操作だけで文書が書けますので
ゆっくり打てば使うことが出来るようです。
思い通りに身体を動かすことが出来る私たちにはおそらく分からないことなのでしょう。
障がいを持った人の気持ちがわかるこの教室なら義父に合った解決策が見つかるかも知れません。
その場でとりあえず月1回の受講を申し込むことにしました。
帰りの車中で
なんて言ってましたが
『他人を認める』ということが出来なかった義父が
意外なところを見ていたことにびっくり。
それに何より
義父が自分で教室を見つけて「行きたい」と言ったことは今回一番の驚きです。
デイサービスの利用は相変わらず固辞していましたし
毎日寝てばかりの生活で
『やる気』とはかけ離れた毎日だった義父。
とうに消え失せてしまったと思っていた
何かに挑戦したいという気持ちがまだ残っていたことを
ちょっぴりうれしく思う帰り道でした。
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