<この体験記を書いた人>
ペンネーム:あくび
性別:女
年齢:51
プロフィール:2年程前に円形脱毛症の診断を受けました。なかなか完治せず現在も抜けたり治ったりを繰り返しています。
3年前に書店で仕事を始めました。最初は楽しく働いていたのですが、気難しいお客様と向き合う機会が重なり、半年程経つと心身ともにクタクタに。レジで理不尽なことで叱られたり、難しい問い合わせで振り回されたりすることに疲れてしまったのです。
そしてその頃、たまたまトイレの鏡に映った自分の頭頂部少し後ろの辺りに、不自然な短い髪の束を見付けました。これは一体なんだろうと思ったことを覚えています。
そして、それからも仕事場でのストレスは酷くなるばかりでした。そんなある日、お風呂からあがりドライヤーで髪を乾かしていると、指先にツルンとした感触を覚えて、あまりの違和感にドキッとしました。それが初めて脱毛症に気づいたときでした。しばらくは怖くてその辺りに触れないように髪を乾かしていました。でも、あるとき、別の部分でも同じ感触を覚えたのです。そこでついに病院へ行った私。診断の結果は「円形脱毛症」でした。ただ、抜けている箇所が多いので「多発性円形脱毛症」だろうとのこと。以前見つけた不自然な短い髪の束は、それまでにも脱毛症があったのが伸びてきたものだそうで、つまり働き始めてからすぐ抜け始めた可能性があるのそうです。そしてこれを改善するにはストレスを溜めないこと、規則正しい生活をして栄養のバランスを考えた食事をとることといわれました。
あれこれと思い当たることを自分なりに変えてみることにした私。まずは、白髪を染めることをやめ、洗髪もアミノ酸系の敏感肌用のシャンプー・リンスに変更。洗い方も調べて地肌を優しくマッサージする方法にしました。そして食事はタンパク質を含むものや海藻類を増やしてみました。
でもそれから約1年。薬は効いているのかよく分からないまま、一番酷い時期には頭頂部と後頭部の地肌が透けて見えるほど薄くなり、特に後頭部はポッカリと直径5センチほどの大きなハゲができてしまいました。髪が長かったので束ねていましたが、頭頂部などはレジカウンターで下を向いたときなどにお客様の目が気になることも。結局人前に出ること自体がストレスになっていき、ついに仕事を辞めてしまいました。
ただ、仕事を辞めたからといってすぐに症状が改善するわけではなく、外出することが嫌になってしまった私は薄い部分を隠すように髪を縛り自宅に籠るようになりました。こんなにあれこれ髪に気を遣い、いいと言われることはいろいろ試しているのにどうして改善しないのかと気持ちが沈むばかり。
でも、自宅でひたすら原因や対策を調べていくうち、アレルギー症状で抜け毛が酷くなることがあると知ったのです。試しに以前から春と秋の花粉症のときに服用していたアレルギーの薬を使用してみることにしました。結果、抜け毛がいきなりおさまったわけではありませんが、頭皮の痒みがおさまったので頭を気にすることが少なくなったのです。
以来、幸いなことに大きなハゲが見つかることはありません。「気にし過ぎてもいけませんよ」と病院で言われたことは本当だったなと今になって思います。けれどやっぱり髪を洗っていると背中に大量に抜け毛が張り付いたり、頭皮が酷く痒くなり気づくとブラッシングのときに抜ける髪の量が増えていたりということがあります。
結局完治することはないのかもしれません。ストレス、アレルギーに気をつけて、これから先ずっとつき合っていかなければいけないのかもしれないなと感じています。
関連記事:円形脱毛症のメカニズムは? いまだに解明できないって本当?/抜け毛予防
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。