「食べるとすぐ眠くなる」「疲れやすくなった」。こうした症状、もしかしたら「食べすぎ」のせいかもしれません。そこで今回は、医学博士・青木厚先生による話題の著書より、「空腹」の力を活用した食事法や、そのメリットについて6回にわたってお届けします。
※この記事は『「空腹」こそ最強のクスリ』(青木 厚/アスコム)からの抜粋です。
前の記事:空腹と睡眠による究極の食事法「8時間+8時間」ルールとは/空腹こそ最強のクスリ(3)はこちら
前回の記事でお伝えした「睡眠8時間+8時間の空腹」という究極の食事法。内臓を休め、脂肪を燃やし、血行が改善され、オートファジーにより細胞が蘇る。それによって、体がリセットされ、心身ともに若々しく、健康になるというものです(詳しくは前回の記事をご確認ください)。では、実際にどのように行うのがよいのでしょうか?
実行しやすい時間帯は、人によって異なる
ひと口に「空腹の時間を16時間以上作る」といっても、それぞれの生活リズムなどによって、実行しやすいタイムスケジュールは異なります。
すでにお話ししたように、睡眠時間を組み込むのが、もっとも無理なくできる方法であり、サーカディアンリズムにも合っているため、より理想的です。
しかし、なかには「朝食と夕食をしっかり食べれば、昼食を抜いてもいい」という人もいるでしょう。
そこで、ここでは、「夜間に空腹の時間を作る場合」「昼間に空腹の時間を作る場合」の2パターンのモデルケースをご紹介します。
どちらがより自分に合うか、無理なく実行できるかを考え、ご自身の生活リズムなどに合わせて応用してみてください。
【パターン1 夜間に空腹の時間を作る場合】
タイムスケジュール
6時ごろ 起床
(この間、もし空腹を覚えたら、ナッツ類をつまむ)
10時ごろ 朝食
(この間、お好きなものを食べていただいてかまいません)
18時ごろ 夕食
22時ごろ 就寝
ものを食べない時間帯:18時~翌10時
このパターンが向いている人
・65歳以上の方や主婦の方
・空腹を感じる時間をできるだけ短くしたい人
・夕食を比較的早めに食べられる人
このパターンのメリットや注意点
・サーカディアンリズムに即しており、体への負担が少ない。
そのため、アンチエイジングや病気への予防効果がより高まる。
・空腹の時間に睡眠時間を組み込むことができるため、無理なく実行できる。
【パターン2 昼間に空腹の時間を作る場合】
タイムスケジュール
6時ごろ 起床・朝食
(この間、もし空腹を覚えたら、ナッツ類をつまむ)
22時ごろ 夕食
0時ごろ 就寝
ものを食べない時間帯 : 6時~22時
このパターンが向いている人
・朝、ご飯を食べないと、午前中の仕事に支障が出るという人
・残業が多く、夕食を食べるのが遅くなりがちな人
・仕事などに集中している間は、あまりお腹が空かないという人など
このパターンのメリットや注意点
・昼食を食べないことにより、眠気を感じることがなくなり、仕事の効率が上がる。
また、昼食の時間を仕事に回すことができ、昼食代も節約できる。
・朝は食べても食べなくてもいいが、ご飯や麺類、パンなどを食べると、昼間の空腹感が強くなる。朝食をとる場合は、できればサラダや卵料理、肉、魚など、タンパク質中心の食事にする。
たとえば、定年を迎えた方など、午前中、比較的ゆっくり過ごせるという人であれば、パターン1をベースに、
朝、9時に起床
17時くらいまでは好きなタイミングで、好きなものを食べる
17時から翌朝9時までの16時間は、ものを食べない(どうしても空腹を感じたときには、ナッツ類を食べる)
といったタイムスケジュールを組むのもいいでしょう。
また、仕事のつきあいなどで、「パターン2を実行しているのに、ランチミーティングが入り、昼食をとらなければならなくなってしまった」「パターン1を実行しているのに、遅い時間に会食が入ってしまった」ということもあるでしょう。
そのような場合は、「ふだんはパターン2だけど、しばらくランチミーティングが続くから、パターン1でいこう」「ふだんはパターン1だけど、忘年会シーズンだけはパターン2でいこう」といった具合に、フレキシブルに対応しましょう。
1~2時間程度は誤差の範囲ですし、「どうしても、平日に16時間、空腹の時間を作るのが難しい」という人は、次ページからご紹介するように、土日だけ実行するのもありです。
「毎日、きっちり16時間、空腹の時間を作らなければ」と必死になりすぎてはいけません。できるだけ無理をせず、長く続けることが大事なのです。
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