こんにちは山田あしゅらです。
『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年以上が経ちました。
前回の記事:せっかくのデイサービスなのに...血圧が高くて入浴できない日が続く/山田あしゅら
心療内科から処方される薬で、ある程度は進行が抑えられていましたが
それでも症状は少しずつ進んでいってしまいます。
血圧の上昇のほかに
義母には気になることがもう一つありました。
それはその頃、事あるごとに見られたしぐさ
『指さし確認』です。
これは別に
『戸締りよ~し』『ガスの元栓よ~し』といった
意味のある確認ではなく
わたし、何をしてるんだっけ?
今から何をしようとしてたっけ?
ここに座っててもいいのかな?
と、不安な気持ちになった時
無意識にやっていた動作のように思います。
認知症の症状が顕著になってくると
義父はその進行を少しでも食い止めたいと思ったのでしょう。
義母に「頭の体操だ」と言いながら
計算練習などをさせていました。
しかし
認知症は悲しいかな
一つ所で止まっていてはくれない病気です。
今日出来ていたことが次の日には出来なくなるということが
だんだん増えていきました。
かと思えば
急に「あれ?元に戻った?」という場面もあり
状態は行ったり来たり。
義母の戸惑いやストレスは
周りの人間以上に大きかったのではないかと思います。
そんな不安の表れのひとつが
この指さし確認だったのかも知れません。
そんなある日のこと。
朝食後しばらく居間でくつろいだ後
ぼちぼち2階へ行こうということになったのでしょう。
(当時義父母の居室は2階にありました。)
義父は、
義母が後に付いてくるものだと思いこんでいますので
とっとと一人で2階に上がって行ってしまったようです。
けれど義母の動きはとても緩慢です。
ゆっくりソファーから立ち上がるのですが
背がすっかり伸び、立ち上がった頃には
何をしようとしていたか
こちらもすっかり忘れてしまいます。
その時
私はたまたま隣のキッチンにおりました。
玄関の鍵が開く音に気が付き
不審に思って見に行くと
義母が靴をはいて外へ出ようとしているではありませんか。
日頃義母は家族が促さない限り外に出ることはありません。
「どこへ行くの?」と聞きましたが全く要領を得ず
何だか分からないけど玄関を開けて外に出ようとしていたようです。
認知症の症状がみられ始めておよそ7年。
義母の徘徊がだんだん目立つようになってきたのは
そんな頃でありました。
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