<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ぼにたん
性別:女
年齢:45
プロフィール:時短勤務でデスクワークしています。1人っ子を2人育てている感じの年の差兄妹の育児にも追われる毎日です。
新型コロナウイルスが猛威を振るう前までは、月に一度は子供(12歳と5歳)を連れて、近県に住んでいる主人の両親に会いに行っていました。
我が家の子供たちは義父母にとても懐いており、義父母もとても可愛がってくれています。
また、私自身も良い関係を築いていると思います。
この義父なのですが、やや頑固、普段は無口な典型的な「昭和のお父さん」です。
会社を引退したばかりの74歳、団塊の世代です。
これが良いことかどうかは別として、この時代の多くの男性は伝統的な価値観を重んじ、家事や育児には一切関わらずひたすら会社のために働き続けてきました。
何十年もその様に仕事一辺倒だった人が引退し、仕事という拠り所を失ったのです。
そして今や、唯一の楽しみといえるものは孫達との繋がりとなりました。
ところがコロナ禍により緊急事態宣言が発令、そのまま他県への移動の自粛要請がでました。
義父は去年、肺を患って入院していたこともあり、現在私たちは義父母に直接会うことを避けています。
仕方のないことなので、会えないことについてはお互い理解してはいますが、それでもやはり義両親は私たち(というより主に孫に、ですが)に会いたがってくれています。
そして同様に私の子供たちも「おじいちゃんとおばあちゃんに会いたい」とせがむので、写真や動画を送ったり、他愛無い会話をLINEでしたりする機会が各段に増えました。
その結果、それまでは義母(73歳)とLINEのやり取りが常でしたが、義父も頻繁にメッセージをくれるようになったのです。
それはいいのですが、義父への返答が困ります。
「孫たちは元気ですか」
「お誕生日には何が欲しいのかな?」
などなど義母は普通の会話として成り立つメッセージを送ってくれます。
しかし義母とは対照的に、義父からのメッセージは「そうですね」としか返しようのないものばかりであるということ。
「ゴルフのトーナメントで〇〇が優勝しました」
「いま散歩中です」
読書中の本の写真がコメントなしで送られてきた事もありました。
基本的に内容が自分の事や自分が関心のある事についてのみなのです。
ちなみに私はゴルフに全く興味がありませんし、ゴルフについて義父と会話したこともありません。
この誤送信レベルの突拍子もない会話の切り口にいつも面食らいます。
そして一応どう返事をしようか考えはするのですが、毎度思いつきません。
大抵はいつも無難なスタンプを送るか子供の写真を送ってごまかしています。
でも、慣れないスマホを使って一生懸命メッセージを打っている姿を想像すると、もしかしたらもっと上手に会話を広げる術があるのかも、私の勉強不足なのかも...と思ってみたりもするのです。
が、今こうしている間にも「今日の午後の心拍数はちょっと高めでした」というメッセージが届き、やはりこのモヤモヤした気持ちを抱えながら、送るべきスタンプを選んでいます。
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