帽子だけでも70個! 買いたい放題に歯止めがきかなかった義母の一人暮らし

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ともちん
性別:56
年齢:女
プロフィール:モノは必要以上に持たないシンプルな生活に目覚めたオバさんです。

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「お金は遣わないと意味がないのよ」
これが義父が亡くなってからの義母の口癖でした。遣わないといけない理由は「あの世にお金は持っていけないから」だそうです。義父は義母に財産を残すために遺言を書いてから逝ったので、義母には一人で暮らすには十分すぎるほどの株や預貯金がありました。
また、「あなたもいつかデパートで買い物ができるようになるといいわね」というのも口癖でした。義母にとって高級住宅地に暮らして、デパートで買い物をするのがある意味でステータス。もともと買い物好きでもあり、以前に衝動買いをしたバッグを「買ったけど使わないわ」と言って私に譲ってくれたこともありました。
そんな義母は義父をあの世に送ってから一人になり、出かけるのは買い物か同窓会という毎日。そして時間を持て余したのか、日がな一日テレビを見て過ごすことが増えたようで、テレビショッピングで見かけるような健康食品などもよく家で見るようになってきました。
その後、義母は3年ほどして認知症になり、症状が進むに従って着替えも一人でしなくなり、デイサービスのお迎えが来ても寝ていることが増えました。そのため、近くに暮らす私が着替えなどを手伝うようになり、次第に義母の驚くべき買い物事情を知ることになったのです。

帽子は夏用・冬用・春秋用と全部で70個くらいはあったでしょうか。洋服はその比ではありません。義実家は収納の多い広めの一軒家です。造りつけの1間サイズのタンスだけでも2つはあるのに、さらに真新しい2つのタンスにも義母の洋服が詰め込まれていました。押し入れにはこれまた帽子と同じくらいの量のバッグや靴。クロコダイルのバッグや、履きやすいと定評のある日本のブランド靴。義母の好きなデパートでしか買えないモノばかりです。そればかりか、高価な通販の化粧品も、封を開けることなく洗面台の引き出しに詰め込まれていました。

これだけ買っても使い切れるわけでもなく、靴や洋服は箱に入ったままや値札が付いたままの状態だったりするのもありました。認知症になる前からそうだったのかどうかはわかりませんが、おそらく買う行為だけで満足していたのかも知れません。

「一人暮らしは気が楽でいいのよ」

そんな義母の言葉の裏には、「好き勝手にしても誰にも何も言われない」が隠れていました。お金は遣わないと意味がないのかもしれませんが、購入したモノだって使わないと意味がありません。夫は「寂しさが買い物に走らせたのかも」とは言いますが、果たして真意はどうなのでしょう。
よくわからないのに、相続で得た株を証券会社に言われるがまま売り買いして損をしたり、老人を狙った詐欺にあったり...。老人の一人暮らしは、よほど本人がしっかりしていないと無理なのだと思うことばかりです。義父が生きていたら「何やってんだ!」と喝が入ったかもしれません。

値札が付いた洋服や帽子は、私がお世話をするようになってできるだけ着まわすようにしました。でもバッグと靴は無理。履きなれない靴は足が痛く、見慣れないバッグは忘れてくるのでデイサービスには持たせられません。新品でも経年劣化するモノは値札が付いたまま古さを帯びて、いまさら中古ショップにも出せない状態になってきています。

84歳になった義母は現在要介護5。いつも同じバッグを車椅子に下げて、靴は履きやすいサンダルで洋服は脱ぎ着が楽な介護用。時々帽子を替えながら、今日もデイサービスに出かけています。

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健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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わかります。うちも同じです。4カ月前から一緒に住むようになった父は新しい下着だけども、いっぱい。捨てるのを嫌がるので目を盗んでは少しずつ捨ててます。

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