性別:女
年齢:55
プロフィール:子育てが終わったとたん介護生活が始まるという、我が人生に休憩なしの日々です。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
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義理の父が亡くなって1年ほど経った頃でしょうか。私が一人暮らしになった義母のもとに時々様子を見に行っていたときのことですから、今83歳の義理母がまだ70代半ばだったように思います。
電話機の子機を手元に置き、頻繁にかかってくる電話に応対している義母の様子からなんだか良からぬ気配を感じた私。義母はそれまで何かを売ったり買ったりするような生活はしていないのに「はい、買ってください」とか「はい、売ってください」とかそんな会話をしながら「なんだか忙しいのよ」と平然としています。「それ、何ですか?」。私の問いかけもほどほどに「いいのよ」とばっさり。
その時、積み上げられた郵便物の中からA4サイズの封筒をちらっと見せ「世のなかこんな風に動いているのかと思って。この年になって勉強になったわ」と言い出したのです。
どうやら義母のところに株だか外貨だかよくわからないけれど「買いませんか」という内容の封書が届いたそうなのです。それから数日後には、電話でその「買いませんか」と言われたものを買った時以上の値段で買い取ると連絡が来たというのです。その上、週末にその業者と会う約束になっているとも! どうやら儲け話を持ち掛けられているような感じでした。私は義母がその内容をよく理解していないところにも問題を感じました。
これは絶対おかしい気がする! いくら私が言っても「何言ってるの? そんな変な話じゃないわよ! みんなやってることなのよ!」と憤慨される始末。夫は頭ごなしに怒鳴りつけるところがあるので、夫には相談できません。その業者に会うという週末までになんとか阻止したいと思い、帰宅後に慌てて義弟のお嫁さんに連絡しました。
買うとか売るとかの電話が掛かっている! 儲け話のような変な郵便物が届いて真に受けている! 実家に帰ってきてちゃんと調べてって伝えて!
早急に義理の弟達が対応してくれて、変な郵便物の件は阻止できました。嫁の立場なので話に深入りはできませんが、売るとか買うとかの電話はどうやら外国為替だったようです。
義父が亡くなってしばらくの間は、なにか勧誘が断れないから私に来て欲しいと言って連絡があったりしたのですが、そのうちそういうこともなくなり、私が義実家に出かけることも少なくなっていた頃の出来事でした。
その後に未婚の義弟が義実家に戻って一緒に暮らすようになり、多くの勧誘問題は解決していきました。固定電話は義弟の携帯に転送されるように変更。介護認定も受けてヘルパーさんやデイサービスの職員さんが出入りするようになると、頻繁に来ていた勧誘も次第に減っていきました。
それから数年後のこと。私が義母の介護で義実家に通うようになってから、実は義母にはすでに数百万円の損害があり、一部は返還されたけれどもあとは泣き寝入りだったようなことを義弟から聞かされました。
閑静な住宅地にある一軒家ですから、表札を義父の名前で残していても勧誘には関係ないのです。リフォーム会社との契約から新興宗教まで、義母は多くの契約に名前を書いていたようでした。
義父の介護にかなりの費用が掛かっていましたので、それがなくなって気が大きくなったのか暇になったのか。義弟からは、義母が通販などからも多くの買い物をしていたことも聞いています。
一人暮らしになってどこに出かけるでもなく家にいることが増えてくると、次第によからぬ勧誘などにひっかかる機会も増えます。高齢者の一人暮らしは、本人がかなりしっかりとしていないと厳しいと感じた出来事でした。
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