20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
「一度始めたら辞めるべきではない」「私がやらねば、誰がやる⁈」とつい自分にかけてしまいがちな負荷やプレッシャー。いままでは突き進むことができていたかもしれない50代に中道あんさんが伝えたいことは。
【前回】「60歳からも好日なり。ありのままの自分が最高で最強
現代社会では、私たちは知らず知らずのうちに自分に厳しいルールやプレッシャーをかけてしまいがちです。
それらを、なんとか若さでカバーできていましたが、50代にもなると身心共に悲鳴をあげてしまいそう。
ラクに生きるためには、実はそういった自分への負荷を「やめる」勇気が大切です。
やめることを恐れず、余計な重荷を手放すことで、自分らしく自由な生き方を見つけることができるのです。
とはいえ「一度始めたら辞めるべきではない」という思考は、多くの人に共通する傾向かもしれません。
特に日本では、忍耐や努力が美徳とされる文化が強く、「諦めること」や「辞めること」をネガティブに捉えがちです。
でも、もしそのことが自分にメリットがないと分かれば、途中でもやめた方がいい。
他にも「責任を全うしなければならない」という思考にも陥りがちです。
頑張り屋さんで責任感が強いことは素晴らしいことですが、過剰な責任感に縛られると自分の健康や幸せを犠牲にしてしまうことがあります。
限界を感じたときや、他の人がサポートできる場合は、素直に頼ることも必要です。
特に親の介護には、「私がやらねば、誰がやる⁈」みたいにひとりで責任を背負いがちですが、これこそ、頼れるものは何でも頼って取り組む課題です。
私も、両親を看取りましたが、たくさんの人に助けてもらったおかげで、負担を最小限に抑えることができました。
それでも、週に一度、仕事帰りに施設への面会に行くのはしんどかったです。
顔を見るなりとネガティブな言葉をたっぷり聞かされるのですからたまったもんじゃありません。
一緒にいるとイライラするし、未熟な私は感情のコントロールが難しくて、つい荒い口調になってしまいます。
そして帰りの電車の中で、どうしてもっと優しくできないのかと、自己嫌悪に陥るのがお決まりのコース。
このような過度なストレスを放置していませんか?
ストレスは無視していると、慢性の健康問題や精神的な問題を引き起こす可能性があります。
私の場合は、電車の中ではひとり反省会をするのですが、電車を降りたとたんに「まぁ、もうしゃーない」と自分に言い聞かせて、大きく深呼吸して一旦気持ちをリセット。
そして、夕飯の買い物をしてごはん作りに集中していくうち、すっかり忘れてしまうものです。
嫌な気持ちになったら、一旦その場から離れたり、そのものを見ないようにして、意識から外します。
自分がリラックスできるような、アロマを焚いたり、ストレッチしたり、好きな音楽を聴くなどしてストレスを溜めこまないようすることが大事です。
それで、また次の週には何もなかったかのように施設に面会に行くのです。
最近は中高年の起業がブームになっています。
起業塾に入って学ぶ人も増えてはいますが、はじめから上手くいくなんて期待は捨てましょう。
手を動かし、たくさん失敗した経験から学習してだんだんできるようになります。
上手くいく方法は数えきれないほどあるので、一つに絞ってコツコツ積み重ねることが一番の成功への近道です。
でもたった一つだけ上手くいかないのは、完璧を求める思考の完璧主義です。
完璧を求めすぎると、自分に過度なプレッシャーをかけたり、足りないことばかりに目がいったりして、物事を始めることすらできなくなります。
求めるのは100%でなくて60%くらいで丁度いい。
やりながら、どんどん改善していくほうが、自分自身の成長を感じられ、小さな成功体験が増えるのでラクに進んでいけます。
これらの思考のクセを手放すことは簡単ではありませんが、「やめることは恥ずかしいことではなく、新たな選択肢を開く行動」だと捉えることで、前向きな行動へと続きます。
自分の本当の価値や目標を見直し、無理に続けるのではなく、最適な選択をする勇気を持つことが大切です。
まずは、毎日の小さな習慣から見直してみませんか?
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- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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