<この体験記を書いた人>
ペンネーム:となりのトロロ
性別:女
年齢:52
プロフィール:遠くの親戚より近くの他人。
私は昔からよく眠る方で、若い頃は休日12時間以上寝ていることも珍しくなく、心配した母親が部屋まで見に来るくらいでした。
結婚してからも子どもが小さいうちは毎日眠くて眠くて、子どもと一緒に昼寝していました。
そんな私に、呆れながら義母や母はこう言っていました。
「今はまだ若いからねえ。年を取ると寝たくても目が覚めて眠れなくなるよ」
それでも40を過ぎても眠れない日などなく、むしろいつになったらそんな日が来るのだろうと楽しみに思っていたくらいでした。
と言うのも、寝る時間が長いと1日が短く「あーあ、起きたらもうこんな時間かー」となんだか損をしたような気分になるからです。
短い睡眠時間で済むならそれに越したことはないな、と考えていたのです。
ところが50代に突入したある日。
昼寝をしたわけでもなく、体調が悪いわけでもないのに、明け方4時になるかならないかくらいにパチっと目が覚め、その後いくら寝ようと思っても眠れなくなってしまったのです。
横になっているだけでもましかと布団の中で何度も寝返りを打ち、目を閉じても、つまらないことばかり頭の中でぐるぐると考えてしまいます。
余計に目が覚めてしまうので、起きて読書するうちにすっかり朝になってしまいました。
その日は不思議なこともあるもんだなと思っていたのですが、その後不定期に週1〜2回ほど唐突に夜明け前に目が覚めるようになりました。
初めは、昼間疲れるようなことをしていないからかと思い、意識的にウォーキングをしてみたり、1駅手前で降りて歩いたりしました。
しかし疲れたから眠れる、疲れてないから目が覚めるということも関係ないようでした。
それでようやく「ああ、これが母たちの言っていた、年をとると長時間眠れなくなる、ということか」と納得したのです。
そう言えば2歳年下の夫が少し前から夜中に2回くらいトイレに起きるようになり、休日でも平日と同じような時間に起きていたりしていました。
その時は「私は全然トイレに起きたりしないよ〜。もう歳なんじゃないの〜」と小馬鹿にしたものです。
まさか自分が眠れなくなる日が来るとは夢にも思わず......。
朝、早くに目覚めるようになって良かったと思えることのひとつは、読書の時間が増えたことでしょうか。
そんな時間にやっているテレビもなく、音のするもので家族を起こしてしまうこともはばかられるので、自然、読書するくらいしかないのです。
ただ、睡眠時間が短いため、日中、特に昼食後に猛烈な睡魔に襲われてうとうとしてしまうようになりました。
これも、本格的に昼寝をしてしまうとまた眠れなくなってしまうかもしれない恐怖から、横になることはせず、ソファや椅子でうとうとしています。
そして昔、早寝早起きな祖父母が、日中暇があればこっくりこっくりしている姿を思い出し、「ああ、自分も年を取ってきたんだなあ」と思わずにはいられないのです。
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