気難しい父のこんな笑顔を初めて見たよ...。47歳で結婚した私の「家族だけの小さな結婚式」

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:Nagisa
性別:女
年齢:48
プロフィール:25年間海外でバリキャリ。親に心配され渋々婚活してみたら即結婚が決まり、ただいま主婦二年生です!

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私は学生時代、専業主婦だけにはなりたくないと思っていました。

キャリアウーマンになり、見る目を養ってから、精神的に大人で素敵な相手を見つけようと晩婚を目指していました。

そして22歳の時、突然知人から誘われて海外に行くことになり、そこで思いがけず好きな仕事に恵まれました。

その職場で働くうちに、絶対にこの人と結婚したいと思う男性に出会います。

10歳年上のその彼は最初はまったく私を相手にしてくれませんでしたが、いつか結婚しようとだけ言ってくれました。

彼との進展はゼロのまま、仕事だけは多忙で熱心に取り組んでいました。

私が40代になると、両親はもちろん、妹や弟も私の将来を心配し始めました。

ある日、彼が病気で突然亡くなってしまいます。

ショックのあまり思い出の多すぎる地を離れ、日本で別の仕事を探すために帰国しました。

令和元年の春、私は47歳でした。

七十代半ばになった両親は、自分たちが年老いてきたので娘はどうなってしまうのかと心配のあまり、私のことを責めたてるようになりました。

私は両親を安心させるためにとうとう観念し、密かに婚活を始めました。

幸運なことに、すぐに数人の相手が見つかりました。

母や妹たちはそれで安心したようですが、怒りが収まらないのが父です。

父は教育熱心で、子供の頃から長女である私に大きな期待を抱いてきました。

実は、私が海外で活躍していることをとても喜んでいたので、帰国したことが気に入らなかったのです。

私を責めた時も、母が「結婚もしないでどうするんだ」という内容だったのに対し、父は「仕事を辞めるなんて」と怒っていましたから。

それでも、いつかまた海外で働くのだろうと思い、帰国したばかりの頃は私を責めなかったようです。

けれど、私の婚活が上手くいき、日本で結婚しそうなことを知ると、母は喜んでくれましたが、父の怒りは頂点に達してしまいました。

父は単なる思いつきの軽率な行動だと非難してきます。

母が間に立ってくれようとしましたが、こうなった父を止められる者など私の家族にはおりません。

しかし、私は1カ月もしないうちに、婚活相手と意気投合して結婚を決めてしまい、家族全員を驚かせました。

私の恋愛事情は一切話をしていなかったので、今更結婚するはずがない、しかもすぐに相手を見つけられるわけがないと思っていたのです。

父も何だかんだ言っても、未婚の私が心配だったようで、本当に結婚が決めると、結局家族みんながとても喜んでくれました。

年齢が年齢なので、2人だけで控えめな結婚式を挙げるつもりでした。

ですが、またもや父は、そのことに不満げな様子。

7歳年下の弟はずいぶん前に立派な式を挙げています。

それより少し前に結婚した2歳下の妹は式を挙げず、すでに離婚しており、両親は「娘の結婚式」に出たことがないのです。

どうやら父は、娘の晴れ姿が見たいのではないかと気づきました。

どうしようか悩み、家族ぐるみで仲良くしている近所のご夫婦に私だけで結婚の報告をしに行った時、相談してみました。

すると旦那さんも奥さんも、ご両親のために結婚式だけはしなくてはいけないと繰り返し、私を説得するのです。

自分たちも晩婚だったけれど、とても喜んでくれたから、と言います。

あなたの推測通り、お父さんも晴れ姿を見たいのよ、と。

けれど、問題は婚約者の彼です。

年齢を気にして、私よりも結婚式を嫌がっていたのです。

そこで、彼に気を遣いながら「親だけでも招待してはどう?」と提案してみました。

すると、ようやく彼も賛成してくれたのです。

帰国して4カ月後の令和元年、夏の日。

私たちは神社で式を挙げました。

日本人だから神社で結婚式をしようと提案したのは私です。

急だったので、参列したのは主人の側は、離婚していることもあって母親のみ。

私の側は両親と妹の3人です。

静寂の中、厳かに祭儀が行われ、澄み切った神聖な空気に包まれているのを肌で感じていました。

私や彼の家族も日本伝統の美しさに触れ、感慨深い様子でした。

父は嬉しさを抑えられない様子で、笑顔いっぱいに写真撮影に臨んでいました。

この日ほど嬉しそうな父を見たことはありませんでした。

式の時に元気だった義母は、2カ月前に亡くなってしまいましたが、今でも、親孝行できてよかった、式を挙げてよかったと主人と話をしています。

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