<この体験記を書いた人>
ペンネーム:しとろん
性別:女
年齢:48
プロフィール:会社勤めをしています。両親と同居です。
同居している78歳の父の事です。
両親は私が小学生の頃、今住んでいる所に越してきて商売を始めました。
商店街の地区で、長く看板を上げている家が多くありました。
当時は小売店が活躍して連帯しており、商売が大きいと商店街の発言力も大きかったようです。
そんな場所に突然やってきて商売を始めたので、新参者である私たちへの風当たりが強かったことを覚えています。
うちの店に資材置場が必要になり、家のすぐ近くの土地を購入したときのことです。
役所に「普通に商売していてあの大きさの土地が買える訳がない」と苦情というか密告のような電話が入りました。
別の日には「家の境界線をごまかしている」と、お隣さんに言いがかりを付けられたこともあります。
子供だった私にも嫌な事はありました。
お小遣いが少なくて友達と同じようにお菓子を買えないと分かると、お店のおばちゃんに相手にされず声も掛けてもらえませんでした。
子供心にショックでしたが、親が頑張っているのにお金がないのなら仕方ないのだろうと思っていました。
でも...時間が経つにつれて、街の人にも徐々に受け入れてもらえるようになり、今では住み心地も良くなりました。
子どものころ、相手にされなかったお店のおばちゃんとも楽しく立ち話ができています。
皆さんご高齢になったし、私も昔の事は忘れました。
しかし、父はそうではなかったようで、今でも思い出したように恨みつらみを口にします。
嫌な事をされた人の話題や越してきた頃の話になると、ぶちぶちと始まるのです。
「あの野郎、バカにしやがって」
「あれが土地を買える訳がねえって電話したんだぞ」
「葬式の手伝いの時だって、何も教えようとしないで文句ばかり言いやがって」
「俺が車(高級外車)を買ったら税務署に言いつけたのはあいつだ」
などなど、父の思い込みも含めて、きりがありません。
「もう、いいじゃない。やめよう」
聞いていても憂鬱な気分になるので、何度かそう言ってみたのですが、一向に響かない様子でやめてくれません。
それだけでも頭が痛くなるのですが、この頃では私の子供たちにも、ご近所への恨み言を話すようになってしまいました。
子供たちはまだ話の内容や言われている人の事をよく分かっていませんが、おじいちゃんのことが好きなので、一生懸命に聞いています。
その姿を見ていると...今後を考えて心配になります。
子供たちには良い話だとは思えないからです。
父の性格からしても当時相当悔しい思いをしたのは想像に難くありません。
でも、これだけ年数も経ったのだし、今は仲良くやっているのだから、水に流して欲しいと思います。
どうしても無理なら仕方ありませんが、せめて子供の前では口に出さず、自分の中にしまっておいてもらえないものかと困っています。
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