<この体験記を書いた人>
ペンネーム:かばくん
性別:女
年齢:52
プロィール:義母の誕生日には毎年プレゼントを贈っています。しかしある年、せっかくのプレゼントを突き返されてしまいました。
「これは私には合わないからあなたが使いなさい」
これは、ある年の出来事。
お誕生日プレゼントを渡したときに義母から言われたセリフです。
我が家では毎年義母のお誕生日に何かしらプレゼントを贈っています。
ですので、義母のお誕生日が近づいたら、だれともなく「おばあちゃんのお誕生日、今年は何にする?」と家族での話し合いが始まります。
ですが、その年はなかなかプレゼントが決まらず困っていました。
高齢者へのプレゼントって何かと難しいものですから。
そんなとき、娘と義母が一緒に車で出かける機会があり「車の中は足元が寒いのよね」と、義母が口にしたのだそうです。
そこで、この言葉をヒントに娘が決めたプレゼントはひざ掛け。
さっそく購入してきてくれました。
そのひざ掛けはちょっとさわっただけでも上質な暖かさが伝わってくる良品でした。
それにとても軽かったので、重さがストレスになることもなさそう。
デザインも華やかな花柄で気分的にも暖かくなりそうと感じる物でした。
ホントに良い物を選んでくれたなと感心しつつ、「これなら義母も喜んでくれるよね」と、娘と二人で安心しきっていました。
しかし、現実はシビアだったのです。
お誕生日当日になり実家を訪問。
娘は少し照れた様子で「おばあちゃん、これ私が選んだの。よかったら使ってね」と言いながら嬉しそうにプレゼントを渡していました。
また、義母も嬉しそうな表情で、「ありがとうね」と満面の笑みを浮かべながらさっそく開封。
しかし次の瞬間、口をへの字に曲げたままパタンとプレゼントの箱を閉じ、「これは私に合わないからあなたが使いなさい」とわざわざ私に突き返したのです。
娘のほうは見ようともせずに。
そう、このときの義母は明らかに怒っていたのです。
箱から出すこともなく突き返したのですから、きっとデザインが気に入らなかったのでしょう。
ですが娘の気持ちを思うと「そんなこと言わずに受け取ればいいのに」とか、「孫が選んだものを突き返すのか、オニババア」なんてちょっと過激な言葉が頭に浮かんだりもしていました。
しかし、そんな思いを義母にぶつけることはありません。
義母の性格を考えると、だれが何を言おうが一歩も引き下がらないでしょう。
むしろそのセリフが義母の怒りの炎に油を注ぐだけ。
ですので「気に入らないものは仕方がない、それに今日はお義母さんのお誕生日。トラブルは絶対に避けなければ」と自分に言い聞かせてぐっと我慢の私たち。
気づかぬふりしてしばらく談笑し、その後そそくさと退散しました。
そのときのひざ掛けは結局私が使うことに。
長年愛用していますが、いまだ現役で活躍してくれています。
冬がくるたびにそのひざ掛けを見ては、そのときのほろ苦い思い出に浸る私なのでした。
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