一家離散した家族、20年ぶりの再会! デイサービスから帰ってきた母の反応は.../石塚ワカメ

毎日、認知症になった実母の近距離介護と育児と仕事でいっぱいいっぱいの日々。いろいろ限界を迎えていた私は、ある計画を企てました。
それは...

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前回の記事:実母の徘徊、予防策を考えてみたけれど斜め上すぎてどうにもならない!

もともと、両親、10歳離れた姉、5歳離れた兄、私の5人家族だった我が家。若干変人で頑固者の兄が思春期あたりから実父と姉と口を聞かなくなり、家庭内別居(?)状態。さらに両親の熟年離婚で実母と私が家を出てからいろいろあって実家も手放し、文字通り長いこと「一家離散」していました。

離婚後も姉と兄は個別で実母に会いに来ていましたが、両親は離婚後は会っていなかったので、家族全員揃うのは実に20年ぶりのこと!

今回の再会の目的は、ズバリ...
「"実母の家の処分について"と"実母の今後について"を家族会議する!」です。

でもこれらの議題の答えはすでにほぼ出ているので、表向きの表題。「このまま放っておいたら次に会うのは誰かの葬式になりかねなかったので、可能なうちに一度全員で会っておきたかった」というのが本当の目的です。

会場は我が家。数年前に患った脳梗塞で記憶障害と運動障害がある実父は、姉が連れてきてくれました。実父はひさしぶりの実母との再会に緊張気味。普段ボロボロの作業着姿の兄も、なぜかYシャツなんか着て来ました。

まずは実母がデイサービスに行ってる間に先に他のメンバーで家族会議。実母の家の荷物の処分は兄が、その後の建物の売却は私が担当することになりました。
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実母の今後については、"施設に預ける"で全員一致。施設の予算は実母の家を売ったお金で賄い、施設探しや手続きなどは姉と私が、施設への引っ越しは兄が手伝ってくれることになりました。

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会議は基本的に、私が提案したことに対しての異議の有無を問うだけなので、実父の変な主張で腰を折られる以外はサクサクと進みます。時期や方法など具体的なことは何も決まっていませんが、いざその時が来たときにきょうだいの協力を得られるという確認ができたことは、大きな安心に繋がります。

そして、今回のメインイベント!
家族の20年ぶりの再会です!!!

デイサービスから帰った実母を、実父と姉と私でアパートまで迎えに行くことにました。
久々の実母との再会を目前に緊張のピークを迎えた実父は、「あいつはボケちゃってても、まだ美人なんだろうなぁ~」なんて言っています。
恋愛の記憶の男女差で、男は"名前をつけて保存"、女は"上書き保存"とよく例えられますが、離婚後新しい人生を謳歌していた実母に対し、しょっちゅう実母の思い出を語っては未練タラタラだった実父...。


さて実母は、久しぶりに実父に会って、どんな反応を示すんでしょうか!?
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どうやら、実父の若い頃の写真を見せるとそれとわかるようですが、目の前にいる爺さんが元旦那だとは認識できないようです。

"名前をつけて保存"でも"上書き保存"でもない。え~と...こう言う場合は何て言うんだ??

実母が認知症になったからなのか、残酷な時のいたずらか...。
でも20年ぶりの家族の再会を実現できて、満足した私なのでした。

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石塚ワカメ


70年代生まれのイラストレーター。二児を育てつつ、近距離に住む実母の介護も行う、仕事・育児・介護のトリプルハードワーカー。ブログ「ワカメ絵日記」を運営。著書に「妊娠さらし絵日記(飛鳥新社)」「毎日が育ジーザス!!(主婦の友社)」がある。

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