あちこち奔走、想像以上の労力...思い出の詰まった実家を売却/石塚ワカメ

毎日、認知症になった実母の近距離介護と育児と仕事でいっぱいいっぱいな日々。日常を回すのに精一杯で、気になりつつも長らく放置していた実家。

前回の記事:一家離散した家族、20年ぶりの再会! デイサービスから帰ってきた母の反応は...

途方に暮れるほどの大量の荷物は、泣き言を言いながらも先日の約束通り兄がすべて処分をしてくれたし、下の子が保育園に通いだして少し余裕が出てきたので、ようやく重い腰を上げることにしました。
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"実家"と言っても、もともとは両親の離婚後に実母と私で買ったマンション。じつは、住宅ローンを組むときの関係で名義は私。すでにローンも完済しています。これが実母の名義だったりローンが残っていたら、もっといろいろめんどくさかったと思いますが、私の名義なので比較的スムーズに動けました。

"比較的"とは書きましたがこれがなかなか大変な作業でした...。

さて、まずは賃貸に出すか、売却するかの決断。
築年数は古いけど都心でとても便利な場所なので、賃貸に出しても借り手には困らなそうですが、賃貸に出す前にある程度リフォームをしないといけないし、入居者の入れ替えのたびにクリーニングに出したり設備の修理がめんどくさい。家賃相場から、固定資産税と都市計画税、管理費と修繕積立費と地代(借地権だった)、管理委託料などを差っ引いた収入では、施設の月額料に届かない。

私にとっても思い出の家なので残しておきたいけれど、現状ただでさえ介護と育児と仕事でいっぱいいっぱいなのに、これ以上管理しないといけないものが増えることを考えるとゾッとするので、思い切って売却することにしました。

まずは一括査定サイトで複数の不動産会社に机上査定を出しました。と、同時に次々にかかってくる不動産会社からの電話攻撃!
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どの不動産会社も「机上査定で概算の価格は出せますが、実際の建物を見させていただけないと...」と訪問査定をゴリ押ししてくるのですがこれをひとまず交わしつつ、机上査定を待ちます。

机上査定の価格はどの不動産会社も開きはなかったのですが、電話対応のよかった数社と訪問査定。どうやら築年数が経っているため、どの不動産会社からも一般的な仲介で売るよりもリフォーム業者の買取をおすすめされました。

訪問査定ではかなり開きがあったものの、そこそこ適正な価格提示で、営業マンさんがいつもいいにおいがして信用できそうな不動産会社で決め、あれよあれよと言う間に無事買取ってくれる業者が決まりました。実家は築年数が経っているとは言え、人気が上昇している土地だったのでおそらくもっと高く売れる方法があったのかもしれませんが、余裕がないので仕方がない。

実家近くの役所に証明書を取りに行くついでに、いよいよ人の手に渡ることになった実家にお別れの挨拶に行くことにしました。

実家に行く時のいつもの癖で、実母に手土産を買いそうになってハッとしました。
実母のいない空っぽの実家。
初めて引っ越して来た日、
実母と暮らしていた頃、
息子を連れて幾度となく泊まりに来たこと、
いろんな思い出がこみ上げてきます。

実母はよく、「ここを姉ちゃんや兄ちゃんたち、バラバラになった家族がいつでも帰れる場所にしたい」と言っていたけれど、その実母がいないんじゃとっておいても意味がない。実家は、実母がいたからこそ「みんなが帰れる家」だったのです。
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さて売却が決まったのはいいのですが、ここからが大変!

家を売るにはいろんな手続きが必要です。マンションの名義は私だったのですが、結婚前の旧姓のままだったので名前の変更手続き、さらに抵当権を抹消していなかったので抹消登記手続きなど余計な手続きも増え、いろんな証明書を集めるために自宅のある役所と実家のある役所と銀行と連日走り回って、手続きに次ぐ手続き...。

さて最後の最後に、実家近くの不動産会社で晴れて買主さんとの売買契約!と思ったら、なんと印鑑証明書と実印が違う!!!急遽、不動産会社の営業さんの車で自宅近くの役所に連れて行ってもらって実印を変更して、また不動産会社にとんぼ帰りして、ようやく実家を手放したのでした。

いろんな余計なトラブルはあったけど、家を売るってとてつもない労力がいることで、判断力や運動機能の落ちた老後にやるってなったら、もっと大変かもしれません。終活は元気なうちにやろうと心に決めたワカメであった...。

 

余談ですが、数カ月後売りに出された元実家の価格を見てびっくり!
なんと最初の訪問査定の倍の価格で売り出されているじゃありませんか!
窓枠以外跡形もなくフルリフォームされているとは言え、査定でいろいろ理由を並べて買い叩かれたのに...不動産業界の恐ろしや~。

石塚ワカメさんの過去記事はこちら

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

石塚ワカメ


70年代生まれのイラストレーター。二児を育てつつ、近距離に住む実母の介護も行う、仕事・育児・介護のトリプルハードワーカー。ブログ「ワカメ絵日記」を運営。著書に「妊娠さらし絵日記(飛鳥新社)」「毎日が育ジーザス!!(主婦の友社)」がある。

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