<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おこめ
性別:女
年齢:45
プロフィール:夫・子供二人・パートタイマー主婦。
押入れの掃除をしていたら、息子が幼稚園の時に使っていたバッグが出てきました。
そのバッグを見ながら昔の話を思い出しました。
あれは13年前、息子(当時4歳)が行く幼稚園はほとんどのお母さんが手作りバッグを持たせていたのですが、私は洋裁が得意じゃないので既製品を持たせていました。
お気に入りにの通販サイトで購入したのですが、既製品なのでめっちゃ可愛いんです。
だから目立つんでしょうね、お友達も「〇〇君の持ってるバッグがいい!」とか言ってくれてたみたいで、息子も嬉しそうにしていました。
ですが「手作りで作ってあげないなんてかわいそう」というお母さん集団がいたそうなのです。
そう言われていたことを、私は気づていませんでした。
ある日、息子が幼稚園から帰ると泣き出しました。
「△△君が、ぼくがかわいそうって言うんだ。ママがバッグ作ってくれないなんてかわいそうって」
泣き出した息子にきちんと説明してあげました。
「ママはバッグを作るのが苦手なの。ごめんね。でもかわいそうじゃないよ。ママは〇〇のことたーーーくさん愛してるんだから」
そうなだめると、泣き顔が笑顔に変わり、分かってくれました。
翌日、気持ちを切り替えた息子は幼稚園へと向かいました。
すると、お昼を過ぎた頃に幼稚園から電話がありました。
△△君とうちの子がちょっとしたトラブルになったそうです。
「バッグを作ってもらえないなんて、かわいそうな子」
「ぼくはかわいそうじゃない! ママはぼくを愛してるんだ!」
「愛されてないよ! だって、バッグを作ってくれないじゃん!」
言い合いの後、喧嘩が始まったそうです。
先生から報告を受けた私は、実は昨日その話になったこと、ママはバッグを作るのが苦手なこと、でもたくさん愛してるという話になったことを伝えました。
「うちの子供には理解してもらいますから、大丈夫です、そのまま帰してください。家でもう一度きちんと話しますね」
帰ってきた息子は泣きながら抱きついてきます。
「ママはぼくを愛してるんだよね? 絶対だよね? ねっ?」
そう聞いてくる息子が愛おしくて一緒に泣いてしまいました。
「ママはぼくのことは愛してるもん! 嘘つき! っていったんだ。そしたら△△君が泣いちゃったの」
泣かせてしまったのは気になりましたが、その日は息子をいつも以上に抱きしめて眠りにつきました。
すると翌日、△△君のママがそのことで激怒!
「うちの子は悪くない! バッグを作ってくれないなんてかわいそうじゃない! それなのに、うちの子を泣かせるなんて! 〇〇君がしたことはいじめです!」
そう言って幼稚園に乗り込んできたそうです。
先生方が話しても、「(私を)幼稚園に来させて謝罪させろ!」と大騒ぎだったそうです。
かなり押し問答があったらしいですが、私を巻き込まずに事を収めてくれた幼稚園の先生方には感謝でした。
でも、それからは他のママ友達に「うちの子は悪くない!」と話を盛って私達親子の悪口を言っていたそうです。
こちらは何もしていないのに。
その後、幼稚園の行事で会うと、睨みつけてきたり、陰口が聞こえたりしました。
一緒にひそひそこっちを見るママ友さん達もいたけど、相手をしたら同じレベルになると思い一切無視。
子供達はその後うまくいっていたため、子供達が平和ならそれでいいと思って幼稚園生活を送りました。
その後、同じ小学校に進んだのですが、△△君が友達をいじめても「うちの子は悪くない!」の一点張りだったそうです。
お子さんとモメたり、先生にクレームをつけたりするモンスターペアレンツ。
当時はめったに聞かない言葉でしたが、身近に実物がいたんだなと、つくづく思います。
△△君とうちの息子は中学も一緒だったため、その後も彼女の姿を何度か見かけました。
彼女には取り巻きのようなママ友がたくさんいましたが、さすがにあきれたのか、卒業する頃にはたくさんいた彼女の取り巻き達はたった1人になっていました。
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