【本作を第1回から読む】 タピオカ屋はどこに行ったのか。3回目の「タピオカブーム」が前回までと異なっていた点
『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』 (菅原由一 /KADOKAWA)第4回【全9回】
街中にあふれていたタピオカ屋が、いつの間にか減っていた...みなさんは、その理由を説明できますか? 想像はできても、説明するとなると難しいかもしれません。SMG税理士事務所代表税理士・菅原由一氏著の『タピオカ屋はどこへいったのか?』は、「場末のスナックの稼ぎ方」や「携帯電話の契約が分かりづらいワケ」など、さまざまな「なぜ」をビジネスの視点から分析しています。日常にあふれるちょっとした疑問を題材に、ビジネスの思考回路を磨きましょう。
※本記事は菅原由一 著の書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
カップ麺を定価の4倍の値段で売れる場所はどこか?
場所が変われば価格は変わる
高く売るための方法として、売り場所を変えてみることも有効な方法です。その例は富士山から学ぶことができます。
富士山は日本一高い山です。また、標高が日本一であるだけでなく、物価も日本一といえるくらい高い場所です。
例えば、街中の自動販売機で100円ちょっとで売っている缶ジュースは、山頂では500円で売られています。200円くらいのカップ麺は800円で売られています。
値段が跳ね上がる理由は、商品を山頂に運んだり、山頂の店舗を運営したりするためのコストがかかっているからです。また、山頂は店舗が少ないブルーオーシャン(山ですが)で、価格競争が起きにくいことも一因です。
この例で重要なのは、場所や環境が変われば価格が変わること、そして、場所や環境次第では高くても買う人がいるということです。
私たちの頭の中には「ジュースは100円ちょっと」という値頃感があります。売り手としては「100円くらいに価格設定しないと売れない」という思い込みがあります。既存の市場で売る場合には100円ちょっとが適正です。
重要なのは、高く売れる市場を見つけることで、その結果、収益が大きく伸びるのです。