【本作を第1回から読む】 タピオカ屋はどこに行ったのか。3回目の「タピオカブーム」が前回までと異なっていた点
『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』 (菅原由一 /KADOKAWA)第7回【全9回】
街中にあふれていたタピオカ屋が、いつの間にか減っていた...みなさんは、その理由を説明できますか? 想像はできても、説明するとなると難しいかもしれません。SMG税理士事務所代表税理士・菅原由一氏著の『タピオカ屋はどこへいったのか?』は、「場末のスナックの稼ぎ方」や「携帯電話の契約が分かりづらいワケ」など、さまざまな「なぜ」をビジネスの視点から分析しています。日常にあふれるちょっとした疑問を題材に、ビジネスの思考回路を磨きましょう。
※本記事は菅原由一 著の書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
小さい企業ほどなぜスポーツ選手のスポンサーになるべきか?
押し売り感のない広告
広告以外の方法でファンを増やす方法はないでしょうか。単なるファンではなく、熱狂的なファンを増やしたい。そう考える場合には、スポーツチームやスポーツ選手などのスポンサーになる方法を検討してみると良いかもしれません。
例えば、エナジードリンクのレッドブルは、テレビCMなどを出す一方で、スポーツイベントのスポンサーもしています。スポーツ選手の所属企業となったり、実業団チームを持ったりする企業もあり、東京五輪でメダリストとなった柔道の阿部一二三選手などは駐車場運営のパーク24の所属、永瀬貴規選手などは旭化成の所属です。
スポンサーも広告手段の1つで、スポーツチームのファンとのタッチポイントを通じて企業や商品を周知できます。また、チームのユニフォーム、ウェブサイト、試合会場などにロゴを出すことで企業や商品の知名度を高めることができます。
広告手段としては、直接的に商品などを売り込むテレビCMや新聞広告などよりも訴求力が弱いといえますが、そこが良いところでもあります。
街中でもテレビでもSNSでも多くの広告を目にする情報過多の現代では、「押し売り感」のある広告を嫌う人がいます。調査(ネオマーケティング調べ)でも、YouTubeなどの動画で流れるCMをスキップする人は95%に及びます。その点、スポーツチームなどのスポンサーは広告感が薄く、消費者に嫌がられることなく商品や企業を知ってもらいやすくなります。