【本作を第1回から読む】 タピオカ屋はどこに行ったのか。3回目の「タピオカブーム」が前回までと異なっていた点
『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』 (菅原由一 /KADOKAWA)第5回【全9回】
街中にあふれていたタピオカ屋が、いつの間にか減っていた...みなさんは、その理由を説明できますか? 想像はできても、説明するとなると難しいかもしれません。SMG税理士事務所代表税理士・菅原由一氏著の『タピオカ屋はどこへいったのか?』は、「場末のスナックの稼ぎ方」や「携帯電話の契約が分かりづらいワケ」など、さまざまな「なぜ」をビジネスの視点から分析しています。日常にあふれるちょっとした疑問を題材に、ビジネスの思考回路を磨きましょう。
※本記事は菅原由一 著の書籍『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。
通販番組の商品はなぜ個数が限定されているのか?
入手困難であることが価値になる
深夜の通販番組では「限定」という言葉がよく出てきます。これは消費者の心を惹きつける魔法のワードです。通販番組で販売数などを制限する理由は、人の「ほしい」という気持ちを高めるためです。
限定という言葉は、「みんなと同じではイヤ」「つまらない」と考える人の心にささります。その結果、希少性が高い限定商品に魅力を感じやすくなり、売れやすくなります。この心理をスノッブ効果といいます。
この心理を踏まえた売り方は通販番組以外でも使われています。例えば、人気のラーメン店はスープがなくなり次第営業終了します。アパレル店では入荷未定の人気商品に予約が殺到します。
つまり「手に入りにくい」ことが価値となり、手に入れたい人が増えやすくなり、行列ができ、行列が行列を呼び、話題が話題を広げるわけです。