親世代は"内省力"がうまく培われていない
画一的な価値観を教え込まれたことにより、親世代は"内省力(自分の気持ちや考え、行動を顧みる力)"が培われていない傾向にあります。
"内省力"という自分を観察するスキルは、対人関係においてとても重要です。
「自分は日ごろどんな言葉を使っているか」「自分はどんなときにイライラしやすいか」「自分は相手にどう接しているか」など、自分の特性に気づけなければ、人と友好的な関係性を築くことが難しくなります。
親が"内省力"に欠けていると、こちら側の希望は受け入れられず、あちら側の主張は脅迫的であるという事態を招き、親との会話がストレスになってしまいます。
"内省力"が弱いからこそ「普通」を押しつける
内省力が乏しいと、自分の感情や思考を認めて受け入れることができません。そのため、「自分はこうしてほしい」「しないでほしい」と自分の気持ちとして言語化するスキルも身につかないことになります。
そうしますと、親は親自身の欲求を自分のものと認められなかったり、表現できなかったりします。その結果、「普通はそうする」「これが常識だ」という言い方によって子どもの行動をコントロールし、自分の要求を通そうとするのです。
「普通はそう」「常識はこう」という言い方は、「そこから外れた場合は異常で非常識」となるため、言われたほうは不快になるだけでなく、従わなければ人格的に問題があるかのような気持ちになってしまいます。
そんなしんどい気持ちから、親の言う通りにすると、親側はますますこの"効果的な"言い方をするという、悪循環が起こりがちです。