部屋はきれいになったけど、自己否定グセはとまらない。/自分を好きになろう

双極性障害の治療後、長く続く抑うつ状態と向き合ってきた筆者。ネガティブな世界からのサバイバルをあと押ししたのは、意外にも簡単な7つの「行動」でした。2ヶ月ぶりの換気、10秒片付けからはじまる、抑うつ状態への行動療法、認知療法的アプローチの実践と記録に、「自分を好きになる」ためのヒントを探してみましょう。

※この記事は『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』(KADOKAWA)からの抜粋です。

前の記事「「掃除ができた」自信を元に、「自分が変われる」実感を味わえた。/自分を好きになろう(6)」はこちら。

 

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【やってみる前】
  もっと早く掃除の習慣が身についていたら......。
  できたことを喜べない、
  クヨクヨグセ、自己否定グセが通常運転。
 ↓
【やってみたこと】
  引き続き、元気な人の真似をしてみる。
  Amazonで白いカーディガンを買った(ビジューつき)。
  ついでに近所に......お出かけ。
 ↓
【起きたこと】
  努力ゼロで「フツーに元気な人に見える......!」
  ネガティブなことを考える時間が減る。
 (お風呂も入るようになった)


 

できないことを気にすると......

私は写真をすぐに撮るクセがあるので、片付けの最中もまめに部屋の写真を撮っていました。撮ると人に見せたくなり、SNSにアップしていました。

かなりの汚部屋の様子に、私の友人たちは驚き、そして、なぜか盛り上がりました。
「これはヤバいwww」
「くさそう」
「勇気あるね~こんな写真アップするなんてwww」
等々、コメントが殺到しました。

私はそのコメントを読みながら、なぜか嬉しかったです。やっぱり、物書きの性分なのでしょう、こんな形でもウケると嬉しかったのです。

そして、不思議なことに私の片付け写真を見て、つられて大規模な断捨離をはじめた人が何人かいました。片付けには「伝染性」があるのだと実感しました。


2015年11月になっていました。
片付けをはじめて2ヶ月が過ぎ、確かに部屋はキレイになったし、本を読んで掃除の方法を身につけることもできました。はじめは、部屋を片付けられて、「やればできる」ことを実感して嬉しかったのですが、徐々に苦しくなっていきました。
「今までの片付けられない自分ってなんだったんだろう」
「なんでもっと早く片付けをしようと思わなかったんだろう」
と、私は過去を悔やみました。

「やっぱり、精神科に通っていた期間の3年間って無駄だったのかな。薬で確かにつらい症状は治まったけど、でも、ずっとぼーっとしていて、ダルいし。幸せ感がゼロだもんな。これで治ったって言えるのかな」
「自分はツイてないな。ほかの人たちはもっと早く掃除の習慣を身につけられたのに、私は、散らかった部屋にこの歳まで住んでいたなんて」

なぜかわからないのですが、そんな鬱々(うつうつ)とした気分が出てきたのです。
これから冬本番だし、クリスマスの飾りも、今の部屋なら映えそうです。
でも、季節の飾りをして積極的に部屋のインテリアを楽しもうという気持ちにはなれませんでした。

この頃はまだ、「どうせ散らかるんだし、片付けをしても損をする」という子供の頃からあった気持ちを引きずっていたのだと思います。

 

次の記事「「できたこと」を認めてほめる。頭の中に警察官ではなく弁護士を。/自分を好きになろう(8)」はこちら。

 

 

岡 映里(おか・えり)

作家。1977年、埼玉県三郷市生まれ。職を転々としながら、慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。のち、Web開発ユニット起業、会社員、編集者、週刊誌記者などの仕事を経る。2013年、双極性障害と診断され休職、離婚などを経験。2年間の治療を経て2015年に症状が落ち着く。以後も続いたうつ状態を、行動療法、認知療法的な視点から改善。

 

瀧波ユカリ(たきなみ・ゆかり)
漫画家。1980年北海道札幌市生まれ。2004年、月刊アフタヌーンで四季大賞を受賞しデビュー。エッセイも発表している。

(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』

岡 映里[著]・瀧波ユカリ[漫画]/KADOKAWA)

双極性障害の診断を受け、休職して2年間治療に専念。その後、長く続く抑うつ状態に向き合った筆者がたどり着いた、「行動」による回復の軌跡をたどるエッセイ。片付け、おしゃれ、筋トレなど、うつな思考回路から解放されるためにトライすべきことがわかる一冊です。

この記事は書籍『自分を好きになろう うつな私をごきげんに変えた7つのスイッチ』からの抜粋です
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