【脳神経外科医の奥村歩先生が解説】「脳のごみ」を流す、「熟睡」のための一日の過ごし方

熟睡するための心の健康術

良い眠りを手に入れるためには、「考え方」も大切です。3つの心得で、心身ともに健康を保ちましょう。

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誰かのためになることをする
→ドーパミンが活性化
ドーパミンは、やる気や幸福感に関係する神経伝達物質です。

「家族のために家事をする」「ボランティア活動をする」など、誰かの役に立って、それが認められることで、活性化されます。

日中に活性化すると、夜にはオレキシンが抑制され、熟睡につながります。

生活の優先順位を決めて活動する
→ノルアドレナリンが活性化
良く動いたり、何かに集中しているときなど活動中に活性化するのがノルアドレナリン。

生活の中での優先順位をつけて、自分の好きなことから積極的に取り組むことが大事。

優先順位から外れることには、気をつかわずに線引きをするのも心の健康を保つ秘訣です。

自分のペースを変えない
→セロトニンが活性化
セロトニンを活性化させるには、規則正しい生活が大切。

「定年後、夫が家にいるようになってペースを乱される」という人は、生活を変えないことが大事。

いままでと同じリズムで自分らしく生活を。

セロトニンは質の良い睡眠を促すメラトニンの素でもあります。

「眠れない」が続いたら薬に頼るのもいい

ここまで紹介してきた方法に取り組んでみても、「眠れない状態」が続くと、高血圧などの生活習慣病やうつ病、認知症などのリスクが高まります。かかりつけ医などに相談をして薬を処方してもらうといいでしょう。

自然な眠りには
メラトニン受容体作動薬
睡眠に深く関わるメラトニンの受容体に作用し、自然に近い状態での睡眠を誘導して入眠を助けます。適しているのは、高齢で昼夜逆転による不眠の人。入眠障害や中途覚醒にも有効な他、安全性が高いのも特徴。

睡眠薬以外の薬も
SSRI
脳内の神経間のセロトニンの再取り込みを阻害する抗うつ薬。中途覚醒や早朝覚醒の人を熟睡に導く効果があります。通常の睡眠薬でうまく眠れない場合に、少量服用することで熟睡できるようになる人が多い。

構成・取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/ノグチユミコ

 

<教えてくれた人>

おくむらメモリークリニック理事長
奥村 歩(おくむら・あゆみ)先生

脳神経外科医、医学博士。米国・ノースカロライナ神経科学センターに留学後、岐阜大学附属病院脳神経外科病棟医長併任講師等を経て、2008年より現職。『スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」』(すばる舎)等、著書多数。

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