思いやりが元になっている夫婦の間には「愛」が生まれる/青森の神様

日本人の平均寿命は、女87.14歳 男80.98歳と世界トップ。平均寿命までたっぷりと時間があります。反面、体力は確実に落ちていき、仕事の需要も難しい中、これからの時間をどう過ごしていけばいいのか、不安にかられる人が多くいることも事実。これからの自分を待ち受ける運命に気づき、自分の心や大切な人たちとどう生きていくか?「青森の神様」として知られる木村藤子さんによる、あなたらしい人生を生きるための道しるべ。

※この記事は『神様が教えてくれる 人生100年時代の幸せな生き方』(木村藤子/KADOKAWA)からの抜粋です。

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愛情で満たされるには

「真実の愛」と言ったり、逆に「偽りの愛」などと言ったり、「愛」にはさまざまな形がありますし、その登場人物もただ恋するふたりだけではありません。恋人同士の愛、夫婦の愛、親子の愛、きょうだい愛、仲間同士の愛......。ここ数年、芸能界を賑(にぎ)わせていますが、道義的な面は抜きにして不倫関係にも愛があるかもしれません。

私のところにいらっしゃる方からの「愛」についての相談ですと、やはり恋人同士や夫婦の間での愛の相談が多いように思います。

「今つき合っている彼氏でいいのでしょうか?」
「運命の人をどうしても見つけたいんです......」

人ぞれぞれ人生が違いますから細かい部分は違いますが、みなさんの相談内容をあえてひと言で表現すると、「真実の愛が欲しい」というものになるのではないかなと思います。

「人生を共にする相手とは、真実の愛で結ばれているのだろうか?」

そんな気持ちを、多くの方が一度くらいは持ったことがあるのではないでしょうか。しかし、真実の愛とか、本物の愛と言いましても、「愛」についての深い理解がなければ、真実の愛を求めていたはずが偽りの愛を育んでしまうこともあります。

「愛」について正しい知識を得るために、まずは「愛とはどんなものなんだろう?」というところを出発点として、恋人同士(夫婦も含む)の真実の愛についてお話をさせていただきます。

「愛」について考えるときに大切なのは、愛はどのようにして生まれるのか? を知ることです。愛の原理を知ることは、愛で満ち溢(あふ)れた家庭を築くための知識の獲得につながるのです。

「愛はどのようにして生まれるのか?」についてですが、愛は思いやりを持ったときに生まれます。

思いやりというのは、相手の立場になって考え、行動するということです。相手を想っているだけでは愛は生まれず、想いを行動に表すことが必要なのです。そんな思いやりを持つことで愛はふたりの間に生まれますから、思いやりは愛の源と言えます。

 

夫婦の場合を考えてみましょう。人生100年時代、いちばん長く一緒にいる相手だからこそ、お互いの協力は欠かせません。夫婦は人生の多くの時間を共に生きていくわけですが、長い人生の中では、共に良いカルマを生み出したり、悪いカルマを解消したり、判断を誤って悪いカルマを新たに作ったり、さまざまな出来事を共有していきます。

そうした多くの経験をふたりで経ていくと、ある種、〝戦友〟のような心が芽生えてもおかしくないほど、ふたりの関係性は密接になっていきます。

しかし、ここに大きな落とし穴があるのです。
距離が近づけば近づくほど、思いやりは芽生えてくるのですが、同時に、時間と共にやってくる〝慣れ〟の中で、思いやりが枯れていってしまうこともあるのです。
思いやりを忘れ始めているサイン、それは相手のことを想った言葉がなくなったときです。

たとえば、
 労(いたわ)る、「ご苦労さま」。
 心配する、「大丈夫?」。
 感謝する、「ありがとう」。
 自分の非を謝る、「ごめんなさい」。

こうした言葉は相手のことを大切に想っているからこそ生まれる言葉で、そのシンプルさとは裏腹に大きな力を持っていて、お互いの心や行動に影響を与えるのです。

夫婦ゲンカをしても、「ごめんなさい」のひと言で心が落ち着いたり、疲れて帰ってきたとき、「ご苦労さま」と声をかけてもらうだけでほっこり癒やされたり、こうした言葉は些細(ささい)なことのように思えますが、思いやりが元になっているので、夫婦の間に愛が生まれます。

もちろん、こうした言葉だけではなく、思いやりの心から生まれるあらゆる言動によっても、愛は生まれます。
そのように思いやりの言動から愛が生まれてくるわけですから、慣れの中で思いやりの言動がなくなってきてしまえば、愛がどんどん枯れていってしまうのは当然なのです。

慣れとは怖いもので、いつしか相手から愛を与えられることを当たり前と思うようになってしまい、自分のことを優先して考えるようになってしまいます。その結果、相手を思いやることを忘れてしまい、自分に向けられる愛ばかりを望むようになってしまうのです。

愛の源である思いやりを持たなくなると、ふたりの愛情のバランスが崩れていきます。ふたりの間に愛が生まれなくなり、枯渇してしまうのです。相手への思いやりの言葉は愛情として返ってくるのですから、自分の内側を愛情で満たしたいのであれば、思いやりのある言動を心がけていればよいのです。

愛とはこのように、思いやりの言葉や行動から相手の中に生まれ、そして我が身に返ってくるもので、要求することで得られるものではありません。
こうした知識が欠けてしまっていると、対処の仕方がわからずに、思いやりをなくしたまま、負の連鎖を巻き起こしてしまうのです。

愛情のバランスが崩れてしまうと、ラジオの周波数がまるで合っていないかのように、どんなに気をつけていたとしても、慣れの中で相手の愛情や思いやりの言葉が少なくなってしまうことも少なからずあると思います。

長い人生、ずっと一緒に歩んでいれば、相手の心の声を聞くことを時に忘れ、会話をしていても、気づかないうちにいつも揚げ足の取り合いをしてしまったり、相手ばかりを悪いと決めつけてしまったり......。そうしたことも、夫婦の間では起きます。

そうした思いやりをなくしてしまっている自分がいるのだということにまずは気づき、受け入れることで、たとえ感情的になってしまって相手を傷つけるような言葉をぶつけてしまったとしても、冷静になったときに「ごめんなさい」と素直に謝ることができる、最後の防波堤になってくれます。

こうした知識の獲得と、些細な心がけが、夫婦間の愛を育てていくのです。
長い人生を思えば、強力なスクラムを夫婦で組んで、生きていくべきなのです。

 

私には娘がいるのですが、彼女が大学生のとき、友人を連れて青森の実家に遊びに来たことがありました。私が住むむつ市には恐山があります。その「恐れ」という言葉の印象とは違い、聖地として有名です。

せっかく青森まで来たのだからと、主人と娘と娘の友人と4人で、恐山に行ったのですが、それからだいぶ経ったあとに、娘からこんなことを言われたのです。

「恐山に一緒に行ったとき、お父さんとお母さんは、自然に手をつないでいたよね。友達に冷やかされたけど、あの光景、とても嬉(うれ)しくて、今でも覚えているよ」

正直、私自身がこの出来事を忘れてしまっていました。娘は続けて、
「お父さんとお母さんの仲が良くて、娘としてなんだかすごく嬉しかったんだよね」

恐山は足場が悪いので、転ばないようにと主人が手をつないでくれていただけだと思っていたのですが、娘の目には仲良く手をつないでいるように見えたのでしょうか。

このとき私は、考えることがありました。
親が子どもを愛しているのと同じように、いや、それ以上に、子どもの親に対する愛情は深く、夫婦の間に愛情が育まれていれば、それは子どもへも連鎖していくのだと。

愛が連鎖するということは、親が思いやりの心を持てば、その思いやりの心は、夫婦間だけではなく、周りの友人や会社の同僚など、自分と関わる人にまで広がっていきます。

今回は夫婦間の愛についてお話ししましたが、もちろん愛はそれだけではありません。
しかし、どんな関係性においても、思いやりが愛を生むのだということは変わりません。

 

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木村 藤子(きむら ふじこ)

1947年、青森県生まれ。地元で有名な霊能者だった母親のもとで育つ。30代のとき、神の声を聞き、霊視・透視能力を授かる。以来、日々多くの人の悩みを救っている。全国的にその名が知れわたり、「青森の神様」「ヘビの神様」といわれるきっかけとなったのが、1990年の「ヘビ騒動」。地元で行方不明になったニシキヘビが現れる場所、時間を透視によって言い当てた。著書に『神様が教えてくれる 人生100年時代の幸せな生き方』(KADOKAWA)、『「気づき」の幸せ』(小学館)、『幸せの風が吹いてくる』『幸せの詩が聞こえる』『神様が伝えたいこと〔ポケット版〕』『母であるあなたに気づいてほしいこと』『気づく力』『新・気づく力』『「本当の自分」に気づく本』『2019年版 木村藤子の春夏秋冬診断』『人生が変わる因果の法則』(主婦と生活社)など。


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神様が教えてくれる 人生100年時代の幸せな生き方

(木村藤子/KADOKAWA)

「100年という長い人生を幸福なものにしていくためには、過去から延々と連鎖している不幸の原因に気づき、断ち切ることです。不幸の連鎖を断ち切れば、自分だけではなく、子どもや孫の未来までも幸福の道へつながるのです。 『はじめに』より」。待ち受ける運命に気づき、自分の心、仲間、家族、大切な人たちと共に、どう生きるのか? 「青森の神様」として知られる著者による、気づきの書。

この記事は書籍『神様が教えてくれる 人生100年時代の幸せな生き方』からの抜粋です
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