NHK・Eテレの教育番組や日本テレビ系列の人生相談番組などに出演し、15年間で約7万人に「相手も自分も大切にするコミュニケーション」を伝えてきたコミュニケーションと心の専門家・吉井奈々さん。そんな吉井さんによる、若者の心や人間関係の悩みを解決する一冊が『未熟なまま輝く キミへ伝えたい 自分を大切にする生き方・考え方』(KADOKAWA)です。「みんなと仲良くできなくていい」「自分の好きは自分で守る」「学校や会社は電車の中だと思ってもいい」「理解してもらえない=愛されてないではない」...心がラクになるヒントが満載です。今回は本書の中から、中学生~大学生の方はもちろん、子育てに悩む保護者の方、人間関係の悩みをお持ちの方にもおすすめしたい、「自分を大切にする方法」を抜粋してお届けします。
※※本記事は吉井奈々(著)、真白 ばに (著, イラスト)の書籍『未熟なまま輝く キミへ伝えたい 自分を大切にする生き方・考え方』から一部抜粋・編集しました。
【前回】みんなと仲良くしなくてもいい。吉井奈々さんによるコミュニケーションの秘訣
自分の好きは自分で守る
この「好き」という言葉には自分の心の中から生まれてくる「興味・好奇心」も含まれます。
小学生の頃は親があなたの「好き」を大切にしてくれることが多いんです。
ゲームやりたい、アニメ見たい、ぬいぐるみと一緒に寝たい、あれやりたい、これやりたい。
多くの好きを叶えてくれます。
あなたの心を守ってくれます。
しかし、中学生になると期末試験や進路指導、テストの点数や通信簿など、数字での評価であなたのことが見られてしまいます。
親が数年前は「いいよ」と言っていたことが、「いつまで〇〇やってんの」と「ダメ」に変わることがあります。
でも大丈夫。
これからは自分の心から生まれた「好き・興味・好奇心」は自分で守ってあげてください。
私は学生の頃に「男性に生まれて男性のことが好き」という気持ちに気付きました。
しかし、親に嫌われたくなくて、友達に嫌われたくなくて、気持ち悪いと言われたくなくて、自分の中に生まれた「男性が好き」という気持ちを手放して捨てようとしたことがあります。
しかし、親に嫌われないように我慢して笑って、友達に嫌われないように話を合わせて、無理して生きていたら、「自分は何のために生きているんだろう? 親を安心させるために生きてるのかな? 友達に嫌われないために生きてるのかな?」と、とても苦しくなりました。
すべてを捨てたくなったときに「せめて興味のあったことややりたかったことをやって、自分を喜ばせてあげよう」と思いました。
衣装を手作りして、メイクして、やりたかったコスプレをして、コミケで同人誌を売ってみたり、新宿二丁目に女装して遊びに行ったりしました。
一生分の勇気を出して自分の「好き」を守ってみました。
自分の好きを誰かのために手放さないでください。
自分の気持ちを誰かのために諦めないでください。