運動会でも失敗知らず。動いてもピントが合う自動焦点(オートフォーカス)/すごい技術

pixta_38377143_S.jpg私たちは毎日身のまわりの「便利なモノ」のおかげで快適に暮らしています。でもそれらがどういう仕組みなのか、よく知らないままにお付き合いしていませんか?

身近なモノに秘められた"感動もの"の技術を、書籍『身のまわりのすごい技術大百科』がわかりやすく解説します!

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前の記事「デジカメの心臓部では、光が電子信号に変換される/すごい技術(16)」はこちら。

●オートフォーカス

カメラでいちばん面倒なのはピント合わせ。それを瞬時に行なうのが自動焦点(オートフォーカス)だ。

世界で初めて自動焦点(しょうてん)カメラが発売されたのは1977年。当時のコニカが「ジャスピンコニカ」という商品名で売り出して大ヒットした。それからカメラの電子化はすさまじい勢いで進んだ。そして、今もデジカメやビデオカメラの進化は止まらない。笑顔になったときにシャッターを切るスマイルシャッター、モニター上の画像から人の顔を認識してそこにピントを合わせる顔検出、あらかじめ登録しておいた被写体の顔に焦点を合わせる顔認識など、一昔前にSFの世界で描かれたような機能が実現されている。

話を最初の自動焦点(AF)に戻し、そのしくみを見てみよう。いくつかの方式があるが、コントラスト検出方式位相(いそう)検出方式が有名である。

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「コントラスト検出方式」とは撮像素子上のコントラストの状態を検知して距離を測る方式である。撮像素子とAFセンサーを共用できるので小型化が可能であり、コンパクトデジカメで広く使われている。ただし、レンズを動かしながらピントを探るため、ピント合わせに時間がかかるのが難点だ。

「位相検出方式」とは被写体からの光の差を検知して距離を測る方式。レンズから入った光を二つに分けて専用のセンサーへ導き、結像した二つの画像の間隔からピントを合わせる。高速のピント合わせが可能だが、専用のイメージセンサーと光の分岐(ぶんき)構造が必要なので小型化が難しく、一眼レフカメラでの採用がほとんどである。

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最近のデジカメやビデオカメラには、被写体の動きに合わせて焦点を合わせ続けてくれる機能がつけられている。運動会で子どもの動きを追うときなどに便利である。この機能は「追っかけフォーカス」などとメーカーによって呼び名が異なるが、一般的にはコンティニュアスAFという。顔認識などのパターン認識機能をAF機能と組み合わせているのである。

この機能はミサイルのロックオン技術と共通するが、地上の複雑な対象を追うぶん、ミサイル追尾(ついび)よりも複雑だ。

 

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「すごい技術」その他の記事はこちら。


涌井良幸(わくい・よしゆき)

1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、千葉県立高等学校の教職に就く。教職退職後の現在は著作活動に専念している。貞美の実兄。


涌井貞美(わくいさだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。良幸の実弟。


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『身のまわりのすごい技術大百科』

(涌井良幸・涌井貞美/KADOKAWA)

身近なモノに秘められた“感動もの”の技術、一挙解説! 身近な文具から、便利すぎるハイテク機器まで…あれもこれも、すべて「科学技術」の結晶なのです。日ごろよく使う「モノ」の“すごい技術”を図解でわかりやすく解説します。

この記事は書籍『身のまわりのすごい技術大百科』からの抜粋です

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