ブレるとただちに補正機能ON! デジカメの「手ブレ補正」/すごい技術

pixta_8755995_S.jpg私たちは毎日身のまわりの「便利なモノ」のおかげで快適に暮らしています。でもそれらがどういう仕組みなのか、よく知らないままにお付き合いしていませんか?

身近なモノに秘められた"感動もの"の技術を、書籍『身のまわりのすごい技術大百科』がわかりやすく解説します!

◇◇◇

前の記事「運動会でも失敗知らず。動いてもピントが合う自動焦点/すごい技術(17)」はこちら。

 

●デジカメの手ブレ補正

ピンボケ、そして手ブレ。この二つが、失敗した写真の典型である。しかし今は、これらをカメラが解決してくれる。

政治演説などでは、相手を批判する文句として「ブレる」という言葉がよく用いられるが、カメラの世界でも「ブレている」写真は失敗写真の典型だ。これはシャッターを押すときにカメラを動かしてしまう「手ブレ」が原因だが、カメラマンとしてはピンボケと同様、不名誉なことだろう。

ピンボケに対しては、自動焦点という機能がカメラに付与されている。撮像素子(CCDやCMOSセンサー)上の画像をコンピューターが解析し、ボケの発生を判断してレンズの位置などを補正してくれる機能だ。

手ブレに対しても、カメラは手ブレ補正という機能で対処してくれる。おかげでカメラ初心者でも「シャッターを押すだけ」できれいな写真が撮れるようになった。特に、望遠レンズを利用するときには手ブレが起こりやすいため、高倍率でカメラを利用する場合にはありがたい機能だ。

 

gijutsu_p123.jpg

手ブレ補正の代表的な方式には、レンズシフト方式イメージセンサーシフト方式がある。「レンズシフト方式」は手ブレ補正機構がレンズ側に搭載されている。カメラのブレに合わせて補正用レンズを作動させ、手ブレを軽減する。ニコンなどが採用している。一方、「イメージセンサーシフト方式」はボディー側に手ブレ補正機構が搭載されている。手ブレに合わせて撮像素子を動かし、手ブレを軽減させる方式で、ソニーなどが採用している。

手ブレ防止機能の実現には、センサーが重要。その情報をもとにレンズや撮像素子を動かすのだ。このセンサーとして「ジャイロセンサー」が主要な役割を担う。下図のように、手ブレはカメラの回転として感知されるからだ。このジャイロセンサーの小型化が手ブレ防止機能の実現を可能にしたといっても過言ではない。

 

gijutsu_p125.jpg

村田製作所が作る振動ジャイロセンサーのしくみ。振動する物体が回転すると慣性力(コリオリの力)が働く。これを検知することで回転速度を検出しているのだ。

 

次の記事「掃除の埃を勘違い? 火災警報器はさじ加減が大切/すごい技術(19)」はこちら。

 

「すごい技術」その他の記事はこちら。


涌井良幸(わくい・よしゆき)

1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、千葉県立高等学校の教職に就く。教職退職後の現在は著作活動に専念している。貞美の実兄。


涌井貞美(わくいさだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。良幸の実弟。


71wldThg5lL.jpg

『身のまわりのすごい技術大百科』

(涌井良幸・涌井貞美/KADOKAWA)

身近なモノに秘められた“感動もの”の技術、一挙解説! 身近な文具から、便利すぎるハイテク機器まで…あれもこれも、すべて「科学技術」の結晶なのです。日ごろよく使う「モノ」の“すごい技術”を図解でわかりやすく解説します。

この記事は書籍『身のまわりのすごい技術大百科』からの抜粋です

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP