私たちは毎日身のまわりの「便利なモノ」のおかげで快適に暮らしています。でもそれらがどういう仕組みなのか、よく知らないままにお付き合いしていませんか?
身近なモノに秘められた"感動もの"の技術を、書籍『身のまわりのすごい技術大百科』がわかりやすく解説します!
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●除湿機と加湿機
洗濯物の部屋干しに、冬の結露(けつろ) 対策に、除湿機は便利だ。この除湿機の反対の動作をするのが、加湿機である。
密閉性の高い現代の住環境では、除湿機が大活躍する。使ってみると、実によく水がたまるのだが、どうやって空気から水を取り出すのだろう。
家庭用に市販されている除湿機には2種類ある。コンプレッサー方式とデシカント方式である。また、これらを組み合わせた方式もある。
コンプレッサー方式の除湿機はエアコンの冷房機能と同じしくみだ。エアコンの室内機と室外機をコンパクトにまとめた構造になっている。空気を冷やすと結露するが、その結露を取り出して排出することで除湿するのだ。実際、エアコンも、冷房時にはしっかりと除湿してくれるのは周知のことだ。
デシカント方式の「デシカント(desiccant)」とは「乾燥剤」の意味で、この方式には実際に乾燥剤が利用されている。その乾燥剤で吸い取った空気中の水分はヒーターで熱せられて乾燥剤を離れるが、熱交換機で室温に冷やされ、結露・排出される。
両者とも、一長一短がある。コンプレッサー方式は除湿能力が高く大きな部屋にも使えるが、冷却が基本原理なので低温時にはその能力が落ちる。デシカント方式はシンプルな構造のため軽量・静音で、乾燥材を利用するので冬にも強い。しかし、電気代がかかる。
これらの構造からわかるように、両者の方式とも、利用すると室温を高めることになる。特にデシカント方式はヒーターを利用するため部屋を暑くする。冬はいいが、夏場は困る。夏の除湿にはエアコンが最適なのである。
一方、除湿機の反対の動作をするのが加湿器である。冬場にエアコンで暖房すると空気がカラカラになるので、備えておくと風邪対策に効果的である。加湿器の方式には下に示す三つが代表的。昔は超音波式が人気だったが、この方式で作られる水の粒子が粗いということで、近年はスチーム式や気化式が人気だ。こうすることで、室温を下げずに除湿できるのだ。
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